宇都宮LRTは、2023年8月26日に栃木県の宇都宮駅で開業された次世代型の路面電車システムだ。今回の取り組みでは、同システムが、宇都宮市民の行動にどのような影響を与えたのかを調査している。調査期間は、LRT開業後として8月26日～9月2日の8日間、LRT開業前として2023年7月22日～7月29日の8日間だ。宇都宮駅からLRT終点までの一部範囲を対象として実施している。

この調査により、LRT開業後には宇都宮駅東口で最大250％の人出増加、路線沿いのショッピングモールでは最大120％の人出がみられることが判明した。さらに、LRT路線から徒歩20分圏内のエリアでも滞在人口が増加。これにより、同社は、宇都宮LRTがLRTの目的のひとつでもある観光振興に役立っていると考察している。

また、車の通行量に関しては、今回の調査により、LRT路線の周辺にある主要道路においてLRTが開業後に車の通行量は増加したものの、渋滞は発生していないことが確認されている。このような結果から、同社は、LRTが既存の自動車通行に与える悪影響は少ないといえるのではないではないかと推察した。

なお、同社は、今回の調査データをLRTの開業効果による新たな出店計画や不動産開発向けなどにも提供可能だと述べている。