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自動運転領域に眠る2兆円市場 ヒントはベンチャー企業から学べ! 東京大学 加藤真平氏

2017/11/21(火)

東京大学大学院・情報理工学系研究科 准教授 加藤 真平 氏

東京大学大学院・情報理工学系研究科の準教授であり、株式会社ティアフォー(以下、ティアフォー)の創業者である加藤真平氏(以下、加藤氏)。MicrosoftやGoogleのようなオペレーションシステムやクラウドコンピューティングを専門とする加藤氏に、ベンチャー企業が見据える自動運転領域の新たな市場とティアフォーのオープンソフトウェアについて、講演いただきました。

[LIGARE vol.31 (2017.1.31発行) より記事を再構成]


スパコンはスマホサイズになる

加藤氏は冒頭、「自動運転車のトランクを開けるとすごい冷気の中に、スーパーコンピューターが積まれています。今はスパコンがないと自動運転は実現できません」と述べました。昨今のテクノロジーイノベーションバブルによって、2020年~2025年までにはスパコン並みのコンピューターがスマホサイズになると予想されるとのことです。

 

2020年にはスパコンは1つのチップになるでしょう(加藤氏)



「NVIDIAは5年後にはスパコンはチップの上に乗るといっています。10年前には考えられなかった性能が一つのチップに乗る時代がやってくるのです」(加藤氏)。スパコンのコンパクト化が実現すれば、メーカー、サプライヤの技術開発のもと、自家用車の自動運転化は一気に現実味を帯びてくることになります。

 

まだまだ未開拓の市場がある

自動運転が実現したとしても、クルマの台数自体は増えないため、既存の市場の中で新しいビジネスは生まれません。新しい市場があるとすれば、「ウーバーやリフトがやろうとしているシェアリングエコノミーです」(加藤氏)。

 

オープンソフトウェアのセンサーはユーザーの希望に対応できるようにしている。「画像処理のチューニングや改善はダウンロードした方にお願いしています」(加藤氏)



クルマが自動運転化されることでドライバーにコストがかからなくなり、初乗り料金のみ、もしくは無料でクルマを走らせることが可能になります。加藤氏は、「本人所有ではないクルマでの移動人数は年間2000億人に上ります。この人数はすごい数字で、一人が100円払えば20兆円、このシェアを10%くらい取れると2兆円になります。ライドシェアや乗り合いでシェアをとれると1~2兆円規模になります」と述べ、ベンチャー企業の視点から、新しい市場で生まれると予測される数字の概算を示しました。

 

無人タクシーのニーズ

「自動運転車が一般道を時速50~60/kmで走っても喜ぶ人はあまりいません。乗り合いの自動運転車に好きな場所から乗ることができれば便利です」(加藤氏)。

2016年11月に愛知県の設楽町で行われた実証実験では、無人タクシーを想定した自動走行車両に一日40~50人が乗車しました。「アンケートを取ると『便利だった』という声が多くありました。このようなところに新たな市場ができます」と加藤氏は語ります。

愛知県にある離島・日間賀島でも自動運転の実証実験が行われています。日本で一番人口密度が高いため、移動が頻繁に発生します。時速30~40/kmで4~5km先まで移動する実験は大好評に終わりました。「社会の課題を解決するための自動運転ですが、もうからないと意味がありません。実験では、ニーズがあることを実感できました」(加藤氏)。2017年からは運転手を伴った自動運転のサービスを開始するとのことです。

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