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燃料電池に活用可能 IHI、航空機など向け電動ターボコンプレッサ開発

2023/6/20(火)

開発した高出力電動ターボ
コンプレッサ(左上)
新開発の大容量
空気浮上式ガス軸受 (右上)
高出力電動ターボ
コンプレッサの構造(左下)

株式会社IHI(以下、IHI)は、独自開発の空気浮上式ガス軸受電動モータ※を搭載することで実現を可能とした航空機など向け電動ターボコンプレッサを開発した。

※ モータが高速回転するときに周囲に発生する空気層を利用して回転体を自立浮上させるIHI独自の技術(空気(ガス)軸受)を採用した電動式のモータ。(プレスリリースより)

今回開発した電動ターボコンプレッサは、燃料電池に水素と反応させる圧縮空気を供給するためのものだ。使用条件に合わせて2段圧縮方式と単段圧縮+エネルギー回収タービン方式の両方式がある。

また、このコンプレッサは、燃料電池システム以外にも、飛行中の薄い外気を圧縮して客室空調へ供給しつつ、従来は外気に捨てている客室の圧縮空気からエネルギー回収ができる電動コンプレッサとしての応用が期待されている。

さらに、IHIは、このコンプレッサが、「小型旅客機用の水素燃料電池推進システム」、「機内使用電力用の燃料電池発電システム(ガスタービン発電機の代替として脱炭素化を実現)」、「現在運航している民間航空機の後継機となる200人乗り中型旅客機の空調の省エネ化などの実現」を目的に搭載されることを想定しているという。

くわえて、今回の開発は、IHIが国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2020年度「航空機用先進システム実用化プロジェクト」の委託業務「次世代電動推進システム研究開発 電動ハイブリッドシステム」において実施したものだ。

なお、IHIは、引き続き航空機の電動化に向けた電動推進システムや航空機発電システムの水素転換にむけた開発に取り組み、2030年代の実用化を目指す。同時に、航空機システム全体の電動化・最適化にも取り組むと述べている。

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