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トヨタ自動車 簡単・自在に変化の多様化コンセプト車【JMS2023】

2023/11/2(木)

コンセプト車「KAYOIBAKO」と佐藤恒治社長

コンセプト車「KAYOIBAKO」と佐藤恒治社長

トヨタ自動車株式会社はジャパンモビリティショー2023で車室や荷台を場面に応じて簡単に変えられるコンセプトモデルを出展。佐藤恒治社長は会見で「未来のモビリティは、ライフスタイルに応じて、その価値を拡張していく」と訴求した。

「超拡張型」車室が生活に寄り添う「KAYOIBAKO」

コンセプトモデル「KAYOIBAKO」(かよいばこ)は、配送などのビジネスとプライベートの併用を想定したコンパクトスペース車。陳列棚や座席を設けるなどのカスタマイズをしやすく、目的に応じて役割を変える「超拡張性能」を備えた車両とした。

ラストワンマイル物流に向く大きさで、BEVの特徴を生かした広くフラットな荷室を備える。移動販売車やコミュニティバスとしての利用も想定されている。プライベートでも多様な使い方が可能。

(左)KAYOIBAKO車室、(右)車いす型電動モビリティ「JUU」

(左)KAYOIBAKO車室、(右)車いす型電動モビリティ「JUU」



床面に設けられたX字の切り込みとアタッチメントを利用して、商品陳列棚を置いたり座席を増やしたりといったカスタマイズが簡単に。また、車いすのワンタッチ固定装置も備えられている。

X字の切れ込みに棚や箱を固定

X字の切れ込みに棚や箱を固定



担当者は車体について「使い方は乗る人の自由なのでクリーンな感じ、長続きするデザインを重視した」と説明した。

名前は、いろいろな部品が詰め込まれ、トヨタの製造現場間を行き来する箱、通称「通い箱」にちなむ。通い箱のように「社会インフラやサービス事業者とつながることでいつでも、どこでも、仕事や暮らしを便利に、楽しくしていく」(佐藤社長)思いを名に込めた。

店舗を架装、東南アで発売のピックアップ「IMV 0」

「IMV 0」(アイエムブイゼロ)は、世界戦略車「IMV」シリーズのコンセプトモデル。東南アジアでICE車を近く発売予定だ。ボルト、ナットを使って荷台部分への架装が簡単にできる。すでにアジアでさまざまなカスタマイズ案が提案されているという。

IMV 0荷台にボルト・ナットで架装

IMV 0荷台にボルト・ナットで架装



車両のカスタマイズに焦点を当てたコンセプトモデルは、ダイハツ工業、トヨタ紡織といったトヨタグループ各社も展示。新しいモビリティ、車室空間を提案していた。



「クルマ屋らしいBEV」知能化でも価値高める

トヨタは「クルマ屋らしい次世代コンセプトBEV」も出展。SUV「FT-3e」、スポーツタイプ「FT-Se」の2種だ。

左:「FT-Se」、右:「FT-3e」

(左)「FT-Se」、(右)「FT-3e」



「FT-3e」は、「立体を構成する面や線を、極力シンプルにしながら、先進感と美しさを両立するエクステリアデザインを追求」した。サイドボディにはデジタルサイネージを置き、ドライバーが近づくと、電池残量や車内温度などを表示する。

電池残量などを表示

電池残量などを表示



「FT-Se」は主要コンポ―ネットをFT-3eと共有しつつ、操縦安定性や空力性能をさらに高めた「カーボンニュートラル時代における高性能スポーツBEV」。直感的な操作が可能なフルデジタル次世代コックピットを採用した。

佐藤社長は「今までにない低重心と広い空間を両立するクルマ」を作り、「BEVでしかできない価値を実現していく」と話した。

FT-Seの運転席

FT-Seの運転席



また、「基本コンポーネントを徹底的に小型・軽量化し、最適なパッケージングにつなげるクルマ屋の力が必要」(佐藤社長)で、さらに車載ソフトウェアのプラットフォーム「アリーン」とアプリを用いてクルマを使い「お客様ひとりひとりの可能性を広げていく」と佐藤社長は語った。

加えて、トヨタは2023年5月にBEV開発専任のBEVファクトリーを設置。一体成形「ギガキャスト」や、航続距離1,000㎞以上の電池開発などを進めている。LEXUSブランドで2026年に発売を予定する「LF-ZC」が、「クルマ屋の力を物語る」市販BEV第一弾となる予定だ。

手で操作アクセル、ブレーキや小型モビリティ 移動の自由追求

クルマのほかにもトヨタは多数のコンセプトモデルを出展。企業理念「すべての人に移動の自由」を形にして来場者に披露する。

「Neo Steer」(ネオステア)は、アクセル、ブレーキを集約した異形ステアリングホイール。上部右側にアクセルレバー・ブレーキレバーを設置。下肢が不自由な人も両手で直感的に運転できる。

アクセル、ブレーキを手で操作する

アクセル、ブレーキを手で操作する



「Neo Steer」は、バイクのハンドルをベースとした異形ステアリングホイールによって視界を大きく、足元の空間を広くとれる利点もある。運転姿勢の自由度が高まり、乗り降りしやすい「新時代のコックピット・コンセプト」とした。

電動車いすタイプのモビリティ「JUU」(ジェイユーユー)は、自動車のモーター採用による走破性が特徴。凹凸路の走行や、最大16センチメートルの階段昇降ができる。

JUUが自律走行で車内に乗り込んだり、運転席そばまで移動したりしてユーザーの自動車乗り降りを助ける機能追加も検討中という。

前2輪の3輪電動モビリティ「LAND HOPPER」(ランドホッパー)は16歳以上なら運転免許がなくても運転できる。免許返納後にも移動手段として活用可能。また、折り畳みでき、クルマと組み合わせて外出先で走りを楽しめる。

折り畳めるLAND HOPPER

折り畳めるLAND HOPPER



佐藤社長は「私たちトヨタの使命は、世界中のお客様の暮らしにとことん寄り添って、多様なモビリティの選択肢をお届けし続けていくこと」とし、「笑顔あふれる未来の社会。その真ん中にはモビリティが居続けてほしい。その想いで、多くの仲間とともに、もっともっと挑戦してまいります」と会見を結んだ。

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