新幹線活用 JR東日本ら、「はこビュン」による多量輸送トライアル実施
2023/5/23(火)
東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)と株式会社ジェイアール東日本物流(以下、JR物流)は5月17日、新幹線を活用した荷物輸送サービス「はこビュン」による多量輸送トライアル実施を発表した。
同取り組みの目的は、「物流の2024年問題」や「CO2排出量削減」、「地方創生」等、社会的課題を解決することだ。さらに、今回初めての取り組みとして、青森県にある新幹線車両基地(盛岡新幹線車両センター青森派出所)から荷物の積み込みを行う。そして、AGVや客室輸送専用台車等も使用し、今後の実用化に向けた課題の抽出を実施する。また、今回のトライアルでは、新幹線3両を使用して積み込みを行う。今後は、新幹線による多量輸送の定期化により、地方の魅力を首都圏の巨大マーケットと繋ぐことで新たな価値を創造できるよう、トライアルを継続的に実施していくという。
具体的なトライアルの内容としては、「新幹線車両基地、大宮駅ホーム・屋上駐車場での荷扱い(荷物搬出入、積み下ろし、荷捌き)」、「AGVの試用による荷扱い業務の生産性向上」、「客室輸送専用台車の試用による荷扱い業務の生産性向上」を検証する。「新幹線車両基地、大宮駅ホーム・屋上駐車場での荷扱い(荷物搬出入、積み下ろし、荷捌き)」では、車両基地を使用することで、従来の駅ホームでの作業に比べ、スペースと時間を確保した。くわえて、大宮駅においては、ホーム上での積み下ろしを確認したうえで、従来よりスペースを確保できる屋上駐車場での荷捌き等のオペレーションを検証する。
また、「AGVの試用による荷扱い業務の生産性向上」は、ライントレースを用いて台車を自動走行で牽引し、これまで人が行っていた搬送作業を代替する。今回のトライアルでは、車両基地において、荷受け場所から新幹線車両前までの搬送に試用し、生産性等を検証する。
さらに、「客室輸送専用台車の試用による荷扱い業務の生産性向上」では、従来使用していた台車に、ブレーキ定位機能や足踏み式ストッパーを付加し、新幹線の客室を使用した輸送の際、台車ごと荷物の積み込み・積み下ろしを行う。今回のトライアルでは、主に新幹線客室への積み下ろし等で試用し、生産性等を検証するという。なお、両社は、2023年度中に新幹線車両基地を活用した多量輸送のトライアルを複数回予定しており、引き続き実用化に向けて取り組んでいくと述べている。