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世界初 -40℃~85℃で動作するリチウムイオンキャパシターを開発・ジェイテクト

2017/12/15(金)

ジェイテクトが開発したリチウムイオンキャパシター


ジェイテクトは東京モーターショー2017で世界初の-45~85℃という広い範囲で動作可能なリチウムイオンキャパシターを出展した。このキャパシターはもともとステアリングのバックアップや補助電源として開発を進めていたものを、クルマ全体の補助電源やブレーキのバックアップとして、そしてアイドリングストップ時の立ち上げの際にも応用できるように開発されたものだという。自動運転化に伴いクルマの制御が電動化する中、安全のためには様々なバックアップが必要となる。

[LIGARE vol.36 (2017.11.30発行) より記事を再構成]

ジェイテクトが出展したこのキャパシターは前述のとおり-45~85℃というクルマの運用が想定される範囲での動作を可能とし、瞬時に充電ができ放電もできるという特徴を持つ。さらにそのサイズが小さく、耐熱性があり冷却装置を必要としないため幾つも重ねて動作させることが可能だ。一枚でEDLC(電気二重層キャパシタ)の4倍の容量を持ち、4枚で12Vの電力量が確保できる。ジェイテクトはこのキャパシターを「人とクルマのテクノロジー展」にも出展しており、そこでは100℃の熱湯の中でキャパシターが動作する映像を公開している。ジェイテクトのBR蓄電デバイス事業室 澤田真一氏は「競争が激しい中、追随する他の企業も力をつけてきている。ステアリング以外にも様々な分野で提案をしていなかければいけない」と語った。

さらにジェイテクトはステアバイワイヤシステムの電動パワーステアリングとインホイルモーターを一体とした「Future Concept Vehicle」の展示や、前回の東京モーターショーにも展示したVRコンテンツの第2弾であるJTEKT 360 VIRTUAL REALITY「JGOGGLE2」による自動運転技術の実車走行映像を体験できるコーナーを出展したほか、ジェイテクトが製造する部品を多く使用しているLEXUS LC500のカットモデルが展示、自動運転のニーズ拡大に合わせた大型乗用車や大型輸送車向けの自動運転対応製品の展示も行った。

 

人とクルマの意思が調和する自動運転対応技術



 

ジェイテクトが考える人と調和し繋がり続ける技術

「Future Concept Vehicle」にはジェイテクトのステアリングと駆動系など、異なるブランドが開発を進めるステアバイワ

イヤ、インホイルモーター、リトラクタブルコラムモジュールの三つの技術が用いられている。
電子制御によってドライバーのハンドル操作を車輪に伝えるステアバイワイヤはより安全かつ自動運転にも対応した快適な運転を実現し、インホイルモーターの技術は車輪近くに配置されたモーターが駆動力となって直接車輪を回転させて自動車を走行させる。左右でモーターを独立させることにより、駆動配分や横滑り防止などを実現する。リトラクタブルコラムモジュールは自動運転と手動運転の切り替えが実用化された際にハンドルを収納する技術だ。これによってドライバーは車内でハンドルを気にせず快適に過ごせるようになる。

 

JTEKT 360 VIRTUAL REALITY「JGOGGLE2」では、ジェイテクトのテストコース「ジェイテクト伊賀試験場」を舞台に、ジェイテクトが開発を進める自動運転対応技術を用いた実車走行の様子を360度映像で紹介している。
操作意思と路面負荷や車両姿勢に応じ正確かつ安全に車両を操作する高精度舵角制御やドライバーがハンドルを握っているか放しているかを検知するハンズオンディテクション、センサーを通じてドライバーの運転意思を検知して運転操作を自動運転から手動運転に安全かつシームレスに移行する操舵権限移譲技術を搭載した実車実験の様子をVRで体験することができる。

自動運転技術が大きく発展を続けていく中で、今回展示されたリチウムイオンキャパシターをはじめとするジェイテクトが製造する部品が、今後さらに大きな役割を担っていくのではないだろうか。

 

バス・トラック用 ADAS対応ステアリングシステム

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