新会社設立 関西電力ら、ハイパースケールデータセンターの開発・運用へ
2023/5/29(月)
米国のデータセンター開発・運用事業者であるCyrusOne社(以下、サイラスワン社)と関西電力株式会社(以下、関西電力)は5月22日、「関西電力サイラスワン株式会社」設立のための株主間契約書を締結した。
新会社は、両社の折半出資にて設立し、ハイパースケールデータセンター(以下、HSDC)※1の開発・運用事業を行う。今後10年程度で1兆円以上を投資し、総受電容量※2 900MWの事業規模を目指すという。また、サイラスワン社は、HSDC事業において、規模と成長の両面で世界をリードしており、営業力や設計・開発・運営に関する高いノウハウを有している。一方、関西電力は、エネルギー・不動産・情報通信など、幅広いグループ事業を展開しており、日本におけるHSDCの開発・運営に必要なノウハウを有している。
さらに、新会社は、両社の強みを生かし、クラウド事業者に世界最高品質のデジタルインフラサービスを提供することで、よりよい社会基盤・デジタルインフラを構築する。まず、首都圏および関西圏における事業展開を予定しているとのことだ。なお、両社は、第1号案件として、既に関西エリアで建設地を確保しており、早期の工事着工に向け、準備を進めていると述べている。
※1 メガクラウド事業者が大容量のデータ処理を効率的に行う、規模が極めて大きなデータセンター。
※2 データセンターの規模を表す指標。建物全体への電力供給量である「受電容量」や、テナントのサーバ運用に供される「電力供給量」で示すことが一般的。(プレスリリースより)
▼関係者のコメント※2 データセンターの規模を表す指標。建物全体への電力供給量である「受電容量」や、テナントのサーバ運用に供される「電力供給量」で示すことが一般的。(プレスリリースより)
■サイラスワン社 社長兼CEO エリック・シュワルツ氏のコメント
関西電力は、電力やインフラサービスをお客さまや地域社会に提供する
豊富な知見を持つ、日本最大級の電力会社です。一方、当社はデジタル
インフラソリューションに特化した世界トップクラスのデータセンター
開発・運営会社であると自負しています。その両社が、今回、さらなる
お互いの成長のために新会社を一緒に設立できることは非常に光栄です。
相互の接続性が高まっていく世の中において、データセンターはデジタルインフラを支える中軸です。また、電力会社はエネルギー供給の生命線を担っています。この2社の提携によって、持続可能性といった地球環境問題を解決し、お客さまのニーズに合わせた高い信頼性およびコスト効率を有した最適なエネルギー・ソリューションを提供することができると考えています。
今回のパートナーシップによって、より信頼性と安定性の高い革新的な
デジタルインフラを、新会社のデータセンターを利用いただくお客さまに提供することができ、その先のユーザー企業や消費者は途切れることのないサービスを享受することができます。
■関西電力株式会社 代表執行役社長 森望氏のコメント
サイラスワン社は、欧米を中心に多数のデータセンターを有し、事業規模・成長率ともに世界トップクラスの事業者です。当社は、ワイラスワン社という頼もしいパートナーを得て、共に新事業の第一歩を踏み出せることを、大変うれしく、また、心強く思っています。
新会社においては、当社グループがこれまで培ってきた、エネルギー
事業や不動産事業、情報通信事業等における知見やノウハウを最大限活用し、サイラスワン社と力を合わせて、ハイパースケールデータセンター事業を力強く推進してまいります。
当社グループは、エネルギー、送配電、情報通信、生活・ビジネス
ソリューションを中核事業と位置づけています。データセンター事業は、4つの中核事業が重なり合う領域であり、本事業を中核事業に匹敵する事業規模に成長させるべく、積極果敢に取り組んでまいります。
(出典:関西電力 Webサイトより)