交通崩壊を乗り越え、新時代の「くらしの足」へ。緊急フォーラム再度開催
2020/6/4(木)
「くらしの足をみんなで考える全国フォーラム」実行委員会が5月29日に「続・くらしの足をなくさない!緊急フォーラム~新型コロナによる交通崩壊をみんなで乗り越えよう!~」をオンライン開催した。
今回は4月24日に開催した緊急フォーラムの続編として、「くらし」と「くらしの足」の危機的状況を乗り越えるために開催。視聴参加者の数は820名にも及んだ。フォーラムでは感染収束までの間に必要な施策として、国内外でのさまざまな事例が報告された。前回の開催時からおよそ1カ月経過し、前回から緊急事態宣言が解除された現在までの間に公共交通がどのような状況だったかを振り返った。加えて、離島で活動するフェリー事業者や国土交通省、地方自治体担当者、海外からの発表者など、20名を超える登壇者が日本各地と欧州での事例の報告も行われた。
「新しい生活様式」での公共交通サービス維持を模索
5月後半から各地で緊急事態宣言の解除が進み、各地で経済活動を再開する動きが活発になってきた。それにつれて人々の移動量も増加傾向にある状況だ。一方で、外出自粛期間は当初の予定よりも長期化した。そんな利用者が激減して売り上げが見込めない長期戦の中でも、公共交通サービス事業者は交通網を維持するために感染リスクと闘いながら運行継続を行ってきた。今後は感染防止対策の徹底などに加えて「新しい生活様式」への対応も求められ、事業者はさらに厳しい状況に置かれている。
フォーラムの冒頭、あいさつに登壇した国土交通省の赤羽一嘉大臣は「3密を回避しながら『新しい生活様式』の中で、いかに公共交通サービスを持続していくかは非常に重要で解決が難しい課題。アフターコロナの公共交通サービスのあり方についての施作の方向性を打ち出すため、今回のフォーラムを通して課題解決の手法の意見をいただきたい」と呼びかけた。
交通崩壊を「止めろ」から「みんなで乗り越えよう」へ
プログラムは、運営委員会の代表を務める東洋大学の岡村敏之教授による主旨説明から始まった。岡村教授は、今回のタイトルが「交通崩壊を止めろ」から「交通崩壊をみんなで乗り越えよう」へ変わったことに触れ、「崩壊自体のスピードは遅くなったが崩壊事態は進行中で、むしろ危機が顕在化してきている」とした。また、このような状況下で目指すべき3点を挙げ、「(1)今を乗り越えること、(2)収束まで移動の手段を確保すること、(3)コロナ後の世界で交通を進化させていくこと」だと語った。
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