Lime、JR東のモビリティハブ実証で千葉駅に進出 首都圏初のバッテリー交換ステーションも
2025/10/15(水)
電動モビリティシェアのLimeは、JR東日本が主導するモビリティハブ実証実験「千葉ぷらっと」に参画し、千葉県内で初めて着座式電動モビリティ「Limeラクモ」のサービスを開始した。千葉駅周辺の4拠点に20台を設置し、地域回遊の新たな足として提案。併せて、首都圏では初となる利用者自身がバッテリーを交換できるステーションも導入した。
今回のLimeの千葉進出は、JR東日本などが設立したWaaS共創コンソーシアムが推進する実証実験「千葉ぷらっと」の一環として実現した。この実証は、千葉駅周辺にシェアサイクルやカーシェアなど複数のモビリティを集約させ、駅を起点とした街の価値向上を目指すものである。
Limeは、千葉駅前や千葉市美術館など4箇所にポートを設置し、主力モデルである着座式の電動シートボード「Limeラクモ」を20台導入した。「Limeラクモ」は、椅子とカゴを備え、立ち乗りタイプに比べて安定性が高く乗りやすいのが特徴で、幅広い世代に受け入れられやすい設計となっている。9月にJR千葉駅構内で開催された単独試乗会では、10代後半の若者からシニア層までが体験し、「操作が簡単で安心」といった声が寄せられた。
注目すべきは、首都圏で初導入となる「バッテリースワップステーション」だ。これは、利用者が自らモビリティのバッテリーを交換できる専用スタンドで、これまで那覇市などで導入実績がある。充電待ちの時間をなくすことで利便性を高めると同時に、運営スタッフによる交換作業を減らし、効率的で持続可能な運用を実現する。バッテリーを交換した利用者には、特典として30分の無料乗車が付与される。
Limeは、駅を起点としたシームレスな移動環境の実現に向け、鉄道事業者との連携を重視している。今回の千葉駅での取り組みで得られた知見を基に、「駅起点型モビリティハブ」のモデルを他の都市へも展開し、安心・安全で快適な都市交通の未来を支えていきたい考えだ。