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三菱自動車ら、使用済みバッテリーを用いた自律型街路灯の開発検討開始

2022/8/17(水)

三菱自動車工業株式会社(以下、三菱自動車)とMIRAI-LABO株式会社(以下、MIRAI-LABO)は、電動車の使用済みバッテリーを用いた自律型街路灯の開発検討を開始した。8月10日付のプレスリリースで明かしている。

三菱自動車は、従前より岡崎製作所に設置した大規模太陽光発電設備とあわせ、アウトランダーPHEVの使用済みバッテリーを活用した蓄電システムを設置するなど実証を行ってきた。目的は、駆動用リチウムイオンバッテリーのリユース・リパーパスの可能性の確認だ。

MIRAI-LABOは、電位差のあるバッテリーを無瞬断で切り替えることができるMBMS(Multiple Battery Management System:複合バッテリー制御システム技術)を保有している。この技術を活用し、さまざまな製品展開と環境に配慮したサステナブルな自律型MaaS社会※1の構築を促進してきた。これまでには、株式会社やまびこと提携し、「農林造園業機械に代表される屋外作業機(乗用を含む)の電動化ならびに移動型バッテリー充電システム」の開発・事業化を行っている。



※1 再生可能エネルギーと蓄電システムの組み合わせによって、商用電源に依存せず、自律型のエネルギーインフラによりサービスを継続提供する新しいMaaSの形のこと。(プレスリリースより)

現在、多くの自治体や企業が取り組む2050年のカーボンニュートラル実現に向けた活動において、電動車の活用は不可欠だ。しかし、電動車の普及拡大に伴い、使用済みリチウムイオンバッテリーが増え続けることが想定されている。

また、使用済みバッテリーの中には、他の用途であれば十分に活用できる充電容量を残しているものがある。そのため、省資源などの観点から、使用済みバッテリーをリユース・リパーパスする具体策の創出が課題だ。

今回開発する自律型街路灯は、三菱自動車のリチウムイオンバッテリー車載技術と、MIRAI-LABOの強みであるバッテリー制御システムなどのノウハウを生かしたものだ。電動車の使用済みバッテリーとリサイクルスチールを使用し、系統からの電力や地中配線など外部からの給電を必要としない。そのため、災害時や停電発生時にも消灯することなく街路灯の機能を発揮できる。

また、使用済みバッテリーを採用することで、バッテリー製造時に排出する二酸化炭素を削減できるため、カーボンニュートラルへのより高い貢献が期待されている。2022年度中に開発を行い、2023年度以降に自治体や企業との実証を通じて提供していく予定だ。

なお、両社は、リチウムイオンバッテリーのリユース・リパーパスを含めたサーキュラーエコノミー※2の実現に挑戦していくという。同時に、カーボンニュートラル実現に不可欠な電動車拡大と再生可能エネルギー拡大に貢献していくと述べている。

※2 従来の3R(リデュース、リユース、リサイクル)の取り組みに加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出す経済活動のこと。(プレスリリースより)

(出典:三菱自動車 Webサイトより)

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