トヨタなど5社が型式申請の不正報告、対象の現行車種は出荷停止
2024/6/4(火)
国土交通省は6月3日、自動車メーカーなど85社に対して指示した型式指定申請の不正行為調査に関して、5月31日までにマツダ、ヤマハ発動機、ホンダ、スズキ、トヨタ自動車の5社から不正行為の報告を受けたと発表した。国交省は3社に対して現行生産車の出荷停止を指示。今後、5社に対する立入調査と、不正行為が報告された車種の基準適合性の確認をする。
現行生産車について、トヨタは「カローラ フィールダー」「アクシオ」「ヤリス クロス」の3車種、マツダは「ロードスターRF(商品改良モデル)」「MAZDA2(1.5Lガソリンエンジン搭載 商品改良モデル)」の2車種、ヤマハは「YZF-R1(型式8BL-RN65J)」1車種の出荷を停止すると発表した。各社とも関係当局に指示を仰ぎながら適切な対応をし、速やかな出荷再開を目指す。国交省は、型式指定申請の不正について、現行生産車種を含めて不正が報告された車種の数をトヨタ7車種、マツダ5車種、ヤマハ3車種、過去生産車種のみでホンダ22車種、スズキ1車種と発表した。
5社は現行生産車種・過去生産車種の両方について法規に定める性能に問題がないことを確認しており、安全上の問題はないとしている。
また、トヨタ、マツダ、ホンダの3社は6月3日に経営トップが会見。型式申請試験の認証担当者や経営陣の処分について現状、否定した。試験手順書に担当者の解釈の余地が残る文言があったり、担当者が法規よりも厳しい条件なので問題ないと解釈したりといった問題が背景にあったとの説明が共通していた。
豊田章男会長が会見したトヨタは、24年1月より豊田会長が主導し、トヨタ・日野自動車・ダイハツ工業・豊田自動織機が参加する認証業務「TPS自主研究会」の活動などを通じて改善する考えを明らかにした。
「各認証項目において、各工程がするべき作業を標準化し、保証すべき品質基準を整理した段階」で24年末ごろに異常管理ができる体制を作れるとの見込みを豊田会長は述べた。
また、国交省の調査指示を契機として、各社に認証の問題があることが分かったとし、今回の事案で学んだ内容を、日本自動車工業会など通じて自動車業界や当局に還元し、議論のきっかけとしたい、日本の競争力向上につなげたいとの考えを示した。
ホンダの三部敏宏社長は25年度までに型式申請試験の結果が試験報告書にそのまま記載される、人が介在しないシステムを導入するとの再発防止策を述べた。
※画像は国交省資料より抜粋