MoT、タクシー業界の人材獲得に向けた取り組みを3月から開始
2023/2/14(火)
株式会社Mobility Technologies(以下、MoT)は、タクシーアプリ運営の知見を生かし、タクシー業界の人材獲得に向けた取り組みを3月から開始する。2月9日付のプレスリリースで明かした。
タクシー業界は、2020年4月、前年比6割減と大幅な売り上げ減少となっていた。しかし、2022年12月には、2019年に比べて、全国で8割程度、都内では96.6%とビフォーコロナの水準に戻りつつある(全国ハイヤー・タクシー連合会調べ)。一方で、全国のタクシー乗務員数は、2013年から継続して減少傾向となっている。特に、2021年の都内の乗務員数は、2019年から約16.5%減の5.5万人と大きく減少した(全国ハイヤー・タクシー連合会調べ)。そのため、都内では朝の通勤時間帯や荒天時など、需要が高まるタイミングで供給が足りていない状況だ。
MoTは、以前より、乗務員の求人募集を転職サイトに掲載し、全国のタクシー事業者に人材紹介を行う取り組みを行なってきた。今回の取り組みでは、日本交通グループの株式会社ハロートーキョーと協業し、「アプリ注文のみ受ける車両」と「供給不足になる特定の時間帯やエリアをカバーするための乗務員」を稼働する。
専用車両では、アプリからのGO Pay決済・目的地入力済みの注文のみを受け、特別な指示がない限り、カーナビゲーションに従い走行を行う。乗務するのは、二種免許を取得するパート乗務員だ。自動車運転免許取得後三年以上経過した人が対象で、二種免許取得も会社がサポートする。
通常、乗務員は歩合制で、20時間程度の隔日勤務が一般的なケースだが、今回の取り組みでは時給制のコアタイム6時間、週3日程度の稼働を予定している。既に乗務員採用は行っており、研修など準備を経て、3月から都内10〜20台で実証を開始する。
また、同実証では、安全面には特に配慮し、パート形態の雇用者に対し、入社前の健康診断実施や乗務前約1カ月の研修を行う。くわえて、日々の血圧やアルコールチェックなど正社員の乗務員と同様の管理を行い、安全面に十分配慮した運用を行う予定だ。どのような教育・管理・運用を行うことで、需給バランスの均衡を保ちつつ収益性を確保できるのかを検証し、全国でも同様の取り組みを行なっていくという。
なお、MoTは、同取り組みを通じて業界の人材不足解消・遊休車両の活用による供給量の確保を行うことで、多様化する働き手の受け皿となる社会的意義の追求および業界活性化を目指すと述べている。