ニュース

NTTと三菱重工、光無線給電成功 宇宙太陽光発電への応用も期待

2025/9/19(金)

NTTと三菱重工業(以下、三菱重工)は9月17日、レーザ光を用いて1km先にワイヤレスでエネルギーを供給する光無線給電実験で、光パワー1kWのレーザ光を照射し、1km先で152Wの電力を得たことを発表。英国誌「Electronics Letters」に掲載された。

同実証は、2025年1月から2月にかけて、和歌山県西牟婁郡白浜町にある南紀白浜空港の旧滑走路で行われたものだ。さらに、両社は30分間の連続給電にも成功しており、今回の技術を用いて長時間給電できることを確認している。

光を電気に変換する効率を高めるためレーザ光の強度を均一化する技術と、大気の影響を抑制する技術を用いた。今後について、レーザ光の波長に合わせて設計する※光電変換素子を用いると、より高効率な給電が見込まれる。また、よりパワーの大きいレーザ光源を用いることで、大電力を供給することも可能。
※光電変換素子:光を電気に変換する半導体素子。太陽電池も光電変換素子の一種。半導体のバンドギャップを超えるエネルギーを持つ光が照射されると起電力が発生するため、レーザ光の波長に最適な半導体材料を用いることで高効率に電力に変換することができる。光電変換素子の最小単位をセルといい、本実験では、このセルを複数並べたパネルにビームを照射し電力として取り出す。(プレスリリースより)

将来は、離島や被災地など電力ケーブル敷設が困難な遠隔地にも、柔軟かつ迅速な電力供給が可能となるという。これらの技術により、飛行中のドローンに対する給電や、宇宙データセンタや月面ローバへの電力供給、静止衛星から地上へレーザで電力を送る「宇宙太陽光発電」への応用なども期待できるとしている。

なお、NTTと三菱重工業は、今回の連携により、大気の影響が大きい環境下においても世界最高効率のレーザ無線給電技術を実現したことは、災害時対応から宇宙開発に至るまで、幅広い分野で高まる社会ニーズに応える革新的な技術基盤として、大きな一歩となると述べている。

(出典:NTT Webサイトより)

get_the_ID : 247547
has_post_thumbnail(get_the_ID()) : 1

ログイン

自動運転特集

ページ上部へ戻る