ニュース

三豊市の自動運転バス実証が進化、信号協調を初導入 NTT西日本と連携しルートも拡大

2025/10/29(水)

香川県三豊市とNTT西日本は、自動運転EVバスの実証運行を10月31日から開始する。昨年度に続く2度目の実証となり、今回は新たに信号機の情報と連携して走行する「信号協調」技術を導入。さらに運行ルートも片道約6.5kmに拡大し、将来のレベル4社会実装に向けた検証を本格化させる。


三豊市では、高齢化に伴う移動困難者の増加や、生産年齢人口の減少によるドライバー不足が喫緊の課題となっている。この課題を解決するため、市とNTT西日本はコンソーシアムを組み、国土交通省の「自動運転社会実装推進事業」の採択を受け、自動運転技術を活用した持続可能な公共交通の確立を目指している。

昨年度に続く今回の実証では、技術面・運用面でより社会実装に近い検証を行う。最大の進化点は、ルート上5箇所の信号機との「信号協調」を導入したことだ。これは、車両に搭載されたカメラによる灯火色の認識に加え、信号機側から灯火色や青信号の残り秒数といった情報を受信し、車両制御に反映させる技術である。これにより、信号のある交差点をより安全かつ円滑に自動で通過するための課題を検証する。

また、運行ルートも昨年度より延伸。香川高等専門学校詫間キャンパスから三豊市地域交流館荘内までを結ぶ片道約6.5kmのルートで、より長い距離を、より多様な交通環境下で運行することで、社会実装に向けた運用ノウハウを蓄積する。

実証期間は2025年10月31日から11月30日まで。車両には、フランスNavya社製の自動運転EVバス「Navya EVO」(乗車定員10名)を使用し、運転手が同乗するレベル2で運行する。実証の全体統括を三豊市が、プロジェクトマネジメントや通信ネットワークの提供をNTT西日本が担い、連携企業が自動運転システムの導入やオペレーター体制の構築などを実施する。

三豊市とNTT西日本は、この実証の結果を踏まえ、今後も検証を重ねることでレベル4(特定条件下での完全自動運転)の実現を目指す。先端技術を導入し、「行きたいときに行きたいところへ行けるまち」の実現に向けた取り組みを加速させるとしている。

get_the_ID : 248721
has_post_thumbnail(get_the_ID()) : 1

ログイン

自動運転特集

ページ上部へ戻る