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カーボンニュートラル燃料対応のエンジン性能・耐久性等の実験開始

2021/9/8(水)

パーソルR&D株式会社(以下、パーソルR&D)は、カーボンニュートラル(以下、CN)燃料に対応したエンジンの性能および機能、耐久実験サービスを2021年9月から開始する。パーソルホールディングス株式会社(以下、パーソルHD)が、9月1日付のプレスリリースで明かしている。

地球温暖化を背景にエネルギー問題への関心が高まる中、2020年10月の臨時国会で「2050年カーボンニュートラル」が宣言された。経済産業省では、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」が策定されている。この取り組みに自動車工業会も賛同し、燃費向上や電動車開発が加速度的に推進されており、燃料のCN化も重要な施策の一つだ。

CN燃料とは、再生可能エネルギー由来の合成燃料やバイオ燃料などのことだ。合成燃料は製造過程でCO2を取り込み、バイオ燃料は原料となる植物の成長過程において光合成を行うことでCO2を吸収している。これにより、燃料を使用することで排出されるCO2はプラスマイナスゼロになると考えられている。

CN燃料は、既に搭載済みのディーゼルエンジンなどの燃料インフラでも使用可能といわれている。このため、航続距離や大きな出力が必要で動力源の電動化が難しい大型の商用車や農建産機に活用し、カーボンニュートラル化が目指せると期待されている。こういった動きから、既存のディーゼルエンジンのCN燃料に対応した実験サービスのニーズが増加している。

パーソルR&Dは、長年にわたり実施してきたディーゼルエンジンの実験サービスにおいて、CN燃料の対応を開始する。エンジンの耐久性や出力・燃費をはじめとした性能・機能試験および分解調査を実施し、既存の化石燃料 (JIS2号軽油)との比較を行う。これにより 開発課題の有無をデータなどで提供する。HVO(Hydrotreated Vegetable Oil:水素化植物油)を使用したディーゼルエンジン耐久実験サービスを9月より開始。続いて、性能・機能実験サービスや合成燃料での同実験サービスを順次展開するという。

また、同社は、CN燃料に代替した際のエンジンの性能や機能への影響を調査する実験評価や、分解調査など多角的な実験が可能だ。さらに、実験結果や分解調査した結果を基に、各部品の耐久性などの改善点の提案も実施する。

なお、同社は、長年提供してきたエンジン開発技術を生かすとともに、商用車や農建産機業界、燃料メーカーへの働きかけなども行う。これにより、エンジンでのカーボンニュートラル実現に向け貢献すると述べている。

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