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ルネサス、1チップで自動運転のメインプロセッシングを実現するR-Car V3Uを発表

2020/12/23(水)

ルネサスは17日、先進運転支援システム(ADAS)や自動運転システムに向けて、車載用の新しいシステム・オン・チップ(System on Chip:SoC)となるR-Car V3Uを発表した。
[2020.12.25 更新 本文中”Automotive Safety Integrity Level: ASIL”の記載に誤りがあったため、該当箇所を修正いたしました。不正確な情報を発信し、大変失礼いたしました。]
ルネサスはこれまで、車載コンピューティング・プラットフォーム、車載カメラ用SoC、3Dグラフィックス・クラスタ特化などのさまざまなR-Car製品を開発。ADASに向けたR-Car第一弾製品として、R-Car V2Hも発表している。今回発表したR-Car V3Uは、車載カメラ画像での物体の認識、レーダやLiDARなど各種センサーから得られる情報の総合処理、走行計画の立案、制御指示まで、1チップで実現できる。量産は2023年第二四半期の予定だ。


R-Car V3Uの特徴にはディープラーニング処理性能の高さと消費電力の低さが挙がる。自動運転システムを実現するためには、周囲の物体を検知したり、物体を識別したりする能力が必要だ。こういった能力を獲得するためには、ディープラーニング処理性能が重要になる。消費電力が低いことで、熱の発生を抑制できる。これにより、空冷で動作する電子コントロールユニット(Electronic Control Unit:ECU)が開発可能だ。
高い安全性能も、R-Car V3Uの特徴の1つだ。自動車向けの安全規格ISO26262では、自動車安全水準(Automotive Safety Integrity Level: ASIL)を設定している。自動運転システムは、ASILの中でも最も厳しい安全性レベルであるASIL Dが必要で、R-Car V3Uでの信号処理の大部分はASIL Dのメトリクスを達成見込みだ。

また、R-Car V3Uでは、ソフトウェア資産の流用が可能なスケーラブルなアーキテクチャを採用した。これにより、ルネサスがこれまでに発表したR-Carファミリ用ソフトウェア資産を生かし、開発負荷を軽減することが可能となった。

ルネサスの車載デジタルマーケティング統括部の吉田直樹統括部長は、「R-Car V3Uは、すでに市場投入している車載カメラ用SoC、R-Car V3MやR-Car V3Hと専用エンジンの共通化を図り、ソフトウェア資産の流用が可能なスケーラブルなアーキテクチャを採用しています。これにより、短期間でスムーズに次世代システムへの拡張ができます」と語っている(一部抜粋)。

(出典:ルネサス Webサイトより)

記事/三河弘

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