昭和電工、電動車用LIBの需要拡大に対応し正負極用導電助剤生産増へ
2022/12/23(金)
昭和電工株式会社は、リチウムイオン電池(以下、LIB)向け正負極用導電助剤「VGCF(気相法炭素繊維)」の生産能力を増強する。12月21日付のプレスリリースで明かした。
需要拡大が続くLIB市場において、特に電動車用LIBの需要が急速に拡大している。これに伴い、VGCFの需要が、欧州自動車メーカー向けを中心に増大しているという。同社は、こうした状況に対応し、生産能力を増強。川崎事業所の生産能力は、年産300トンから33%増の年産400トンになる。稼働開始は2023年10月の予定だ。LIBは、充放電を繰り返すことで徐々にリチウムイオンの行き来が難しくなり、充電量が低下するなどの課題を抱えている。 しかし、繊維状のVGCFを使うとリチウムイオンの行き来が保たれ、電池の劣化を抑制することができる。
また、VGCFには、分散性が高い、熱伝導性が高いといった特徴もある。このため、VGCFを使うことで、LIBの高容量化や長寿命化、熱マネジメント貢献につながる。これにより、電池の寿命が延び、ライフサイクル全体でCO2排出量の削減が期待できる。
なお、同社は、今後も省エネルギーや環境への負荷低減に寄与する製品を提供することで、グローバル社会の持続可能な発展へ貢献すると述べている。