住友三井オートサービス、熊本市実施の自動運転バス運行実証に参画
2025/1/28(火)
住友三井オートサービス株式会社(以下、SMAS)は1月27日、熊本市が実施する自動運転バスの運行実証に参画することを発表した。
同事業は、熊本市から委託を受けたBOLDLY株式会社(以下、BOLDLY)を中心に、株式会社TaKuRoo(以下、TaKuRoo)、株式会社ティアフォー(以下、ティアフォー)、住友商事株式会社(以下、住友商事)、およびSMASが連携し、技術提供や運営支援に取り組むものだ。
具体的な内容としては、2025年2月10日から、熊本駅および熊本城周辺を周回するバス「しろめぐりん」の一部ルートにおいて、自動運転バスの無償運行を実施する。まずは自動運転レベル2で開始し、10:00~16:00の間で一日6便程度の運行する予定だ。そして、2026年度以降は自動運転レベル4による運行、周辺駅や路線バスとの接続、空港エリアとの連携、タクシーなど他の移動手段との協力体制構築を目指す。
また、同事業では、技術面に関しては、坂道、カーブの多い道、車両と歩行者が混在する空間といった難易度の高い走行環境において、自動運転システムの挙動および課題の検証を行う。一方、社会受容性に関しては、地域住民、地域商業者、観光客からの受け入れ状況や満足度を検証する。くわえて、利用者の行動変容として、熊本城復興工事の影響で回遊性が低下している熊本城周辺において、自動運転バスが観光客の回遊性向上に与える影響を検証するという。
▼関係者のコメント
■熊本市
運転士不足への対応や移動手段の確保、公共交通の利用促進など、地域公共交通が抱える課題解決に向けて、自動運転の導入を検討します。
今年度は自動運転レベル2での実証実験を行い、安全性や一般交通への影響、社会受容性の確認をし、あわせて機運醸成を図ります。
■BOLDLY
本プロジェクトでは、BOLDLYが車両の提供および自動運転の走行設定を行い、独自に開発した運行管理システム「Dispatcher(ディスパッチャー)」を提供します。また、TaKuRoo様に対して、BOLDLYからトレーニングを実施し、必要な知識とスキルを身に付けていただいた上で、オペレーターや遠隔監視などの運行業務をアシストします。
さらに、LINE予約システムをDispatcherと連携して導入し、BOLDLYならではの利便性を提供します。この取り組みにより、熊本市での自動運転レベル4の運行を実現し、熊本市全体への展開を見据えた汎用性の高い運行体制の構築を目指します。
■TaKuRoo
熊本城内区間、歩車同一区間、軌道敷並走区間、狭隘路区間など、さまざまな障害に細心注意を払って期間中のレベル2運転補助と遠隔監視に努めます。
■ティアフォー
TIER IV(ティアフォー)は、「自動運転の民主化」をビジョンとし、世界初のオープンソースの自動運転ソフトウェア「Autoware」の開発を主導するディープテック企業として、自動運転システムの社会実装を推進しています。「Autoware」を活用したソフトウェアプラットフォームを自社製品として提供し、これらの製品を基盤に市場の需要に対応したソリューションを展開しています。「Autoware」が生み出すエコシステムを通じて、世界各地のパートナーと協力して自動運転システムの可能性を拡大し、より良い社会の実現を目指しています。
■住友商事
住友商事は、2024年2月に熊本市と締結した「カーボンニュートラルの実現に向けた連携協定」のもと、再生可能エネルギーの普及や地域交通インフラの向上に取り組んできました。本実証は、熊本市の交通課題解決と持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩であり、住友商事にとって初めて自動運転事業に挑む案件です。住友商事は今後も熊本市との連携を強化し、官民一体の取り組みをさらに深化させるとともに、「熊本連携中枢都
市圏地球温暖化対策実行計画」も視野に、周辺地域社会への貢献を一層拡大していきます。
■SMAS
SMASは、オートリース業界のリーディングカンパニーとして、自動運転の導入支援をすることで社会全体の移動効率を高め、誰もが自由に移動できるモビリティ社会を目指しています。多くの官民連携実証で培ってきた知見を生かし、熊本市の交通課題の解決に取り組みます。
(出典:SMAS Webサイトより)