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ソフトバンクら、次世代都市交通向け分散システムの本格的な実証開始へ

2023/9/5(火)

ソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンク)らは8月31日、衝突予測ソリューション(以下、Eye-Net)※1を活用した「次世代都市交通向け分散システム」の本格的な実証を、9月から開始すると発表した。

※1 スマートフォンなどでも動作可能で、モバイルネットワークを用いて車や歩行者などの情報を通信し、出合い頭の衝突事故をAIも活用して予測を行い、危険な状況を事前に検知することができるEye-Net Mobile Ltd.(以下、Eye-Net Mobile社)のソリューション。(プレスリリースより)

今回の取り組みは、ソフトバンクとEye-Netを提供するEye-Net Mobile社が共同で実施する。Eye-Netは、スマートフォンや車載などの通信機器にSDK(ソフトウエア開発キット)を導入することで、移動する車や人との衝突を事前に予測可能だ。さらに、エッジサーバーやデバイス上の分散システムにより、低遅延かつ効率的に衝突を予測することが期待できる。

また、今回の実証では、従来のバッチ処理型のデータベース設計ではなく、イベント・ドリブン・アーキテクチャー※2を採用することで、リアルタイムな交通マネジメントや動的制御を実現する。これにより、自治体や公共機関、保険会社など、法人利用者のニーズに合わせた即時性の高い情報処理機能を提供することが可能となる。

※2 VANTIQ Inc.のイベントドリブン型アプリケーション開発プラットフォームを活用した、イベント(利用者の操作や他のプログラムが実行した処理など)に応じてリアルタイムに解析・処理などを行う仕組み。(プレスリリースより)

さらに、Eye-Netの計測情報を、5Gに対応するMEC(以下、5G MEC)を経由して衝突予測を行うことで、効率性を向上させるとともに、ハンドオーバーの検証を行う予定だ。Eye-Netは、移動する端末とエッジサーバーを効率的にルーティングする機能を有している。両社は、これを応用して、5G MEC間のネットワークハンドオーバーに対応した開発を計画している。

また、ソフトバンクは、2023年7月に関西地方で5G MECを新たに開設している。これにより、低遅延かつ高品質でセキュアな通信環境でこのソリューションの提供範囲の拡大が可能になる。なお、同社は、日本の自治体や幅広い業種の法人利用者向けに、2024年度以降の「次世代都市交通分散システム」の提供開始を目指していく。

▼関係者のコメント▼

■ソフトバンクの執行役員 兼 データ基盤戦略本部 本部長 丹波廣寅氏のコメント
Eye-Net Mobile社の分散配置する衝突予測処理技術は、ソフトバンクの目指す『次世代社会インフラ』の実現を加速させる画期的な取り組みです。モバイル網に分散配置された計算資源と組み合わせることで、物理的に離れた複数の都市を包括する全国規模の都市交通インフラの実現に大きく寄与することが期待できます。また、本インフラに集約した衝突予測データを他の都市交通インフラやシステムと連携することで、自律的に衝突予測精度の向上や交通インフラの動的制御が可能になります。今回の共同実証によって、日本の次世代の交通システムの新しい可能性を示していきたいと考えています

■Eye-Net Mobile社 CEO Dror Elbaz(ドロール・エルバス)氏のコメント
これまでの共同実証により、ソフトバンクとの今回の実証に選ばれたことを光栄に思います。これは、車や歩行者などの全ての人の安全性を高める最先端のソリューションを提供するという、弊社の努力を裏付けるものです。今回の共同実証による可能性は、弊社の衝突予測ソリューションが日本の数千万人の人たちを出合い頭事故から守り、より安全な交通社会を実現する新しい交通安全のアプローチとなることを期待しています


(出典:ソフトバンク Webサイトより)

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