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ソフトバンクと本田技術研究所、事故低減に向けた技術のユースケース検証

2021/11/22(月)

ユースケース1イメージ図

ソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンク)と、株式会社本田技術研究所(以下、本田技術研究所)は、歩行者とクルマによる事故低減に向けた技術のユースケース検証を開始した。11月17日付のプレスリリースで明かしている。

本田技術研究所は、本田技研工業株式会社の研究開発子会社だ。同検証では、スタンドアローン(Stand Alone)方式による第5世代移動通信システム(以下、5G SA)※1、およびセルラーV2X通信システム(以下、セルラーV2X)※2を活用する。本田技術研究所の鷹栖プルービンググラウンド(北海道上川郡鷹栖町)には、ソフトバンクの5G SAの実験用基地局を設置している。この基地局と本田技術研究所が持つ認識技術を活用して、3つのユースケースにおける技術検証を進める。

※1 スタンドアローン(Stand Alone)方式による5G。従来の4Gのコア設備を流用し5Gの基地局と組み合わせたシステム構成のノンスタンドアローン方式とは異なり、新たな5G専用のコア設備と5Gの基地局を組み合わせた最先端の技術
※2 3GPP(移動通信システムの規格策定を行う標準化団体)で標準化された通信規格で、モバイルネットワークを用いて車両間、交通インフラと車両間、ネットワークと車両間、歩行者と車両間などで通信をする技術(プレスリリースより)

1つ目のユースケースは、車両から目視できる歩行者の事故低減だ。走行する車両から歩行者を目視できる環境において、車載カメラで歩行者が車道へ進入するなど、事故の危険性を認識したという状況を想定している。このような状況で、車両から直接もしくはMECサーバー※3を介して、歩行者が所持する携帯端末に注意喚起を促す警報通知を行う。歩行者が回避行動をとることで、車両と歩行者の接触事故を防止する。

※3 MECはMulti-access Edge Computing(マルチアクセスエッジコンピューティング)の略で、基地局など端末から近い位置にデータ処理機能を配備することで、クラウドサーバーと比較して通信の最適化や高速化をすることができる技術(プレスリリースより)



2つ目のユースケースは、車両から目視できない歩行者の事故低減だ。走行する車両が、路上駐車車両などの障害物によって、歩行者を目視できないという状況を想定。そのような状況で、見通しが悪いエリア内に歩行者がいる・いないという問い合わせを、周辺の携帯端末および他の車両に行う。

歩行者がいる場合は、歩行者に走行車両の接近を通知するとともに、歩行者の携帯端末から走行車両に対して、見通しが悪いエリア内に歩行者がいることを通知する。また、見通しが悪いエリア内の歩行者を目視できる位置に他の車両がある場合は、その車両から走行車両に対して、見通しが悪いエリア内に歩行者がいることを通知する。このように、走行車両と歩行者、他の車両が高速でデータ通信を行うことで、接触事故を防止する。

ユースケース2イメージ図



3つ目のユースケースは、車両から目視できないエリア内の情報の共有による歩行者の事故低減だ。走行する車両からMECサーバーに対して、見通しが悪いエリア内の情報を送信する。そして、MECサーバーが情報を整理し、周辺を走行する車両に通知する。

通知を受けた車両は、見通しが悪いエリアに近づいた際に、歩行者がいる・いないという問い合わせをMECサーバーに対して行う。そして、歩行者がいる場合は、MECサーバーが車両および歩行者に警報通知を行う。このように、MECサーバーと車両、歩行者が高速でデータ通信を行うことで、接触事故を防止する。

また、このユースケースでは、カメラによる認識機能を持たない車両にも見通しが悪いエリア内の情報を送信する。これにより、認識機能の有無にかかわらず、車両と歩行者の接触事故を防止することができる。

ユースケース3イメージ図




なお、ソフトバンクと本田技術研究所は、これまでも鷹栖プルービンググラウンドに5Gの実験用基地局を設置して、5Gを活用したコネクテッドカーの技術検証を進めてきた。今回の取り組みの目標は、歩行者とクルマがつながることで生まれるネットワーク技術により、安全で安心して移動できる社会の実現だ。5G SAおよびセルラーV2Xの連携を見据えた技術検証を、2021年度中の完了を目指して推進すると述べている。

(出典:ソフトバンク Webサイトより)

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