タクシー乗務中の眠気、ヒヤリハット可視化 大和自動車交通ら確認
2023/4/28(金)
大和自動車交通、日本交通、NECの3社は4月27日、タクシー乗務中の乗務員の眠気や疲労、運転状況を可視化する実証実験を行ったと発表した。乗務員の「ヒヤリハット」状況や、眠気の強弱の周期といった健康状態を確認でき、今後の運行管理で活用するとしている。
実証実験は今年1月から4月に行われた。3社は、乗務員が着用するウェアラブルデバイスより取得する心拍変動などから覚醒度や運転中の感情の起伏を分析。ドライブレコーダーのデータを収集・分析するNECの安全運転支援サービス「くるみえ」と組み合わせて運転状況を可視化した。3社は、実証の結果、乗務員の業務中の感情の起伏が小さいとヒヤリハットの頻度が少ないことや、業務中に周期をもって現れる眠気の強弱を確認した。
これらの実証実験で得たデータは、乗務員と運行管理者に通知され、スマートフォンアプリに集約された。アプリは、モバイル運転免許証の国際規格であるISO/IEC 18013-5 Mobile driving licence (mDL) application に基づいて実装したもの。mDL規格に基づくアプリを使った、乗務員に対するデータ活用の取り組みは、NECによると国内で初めて。
実証結果を踏まえて、3社は、勤務管理や運転指導、安全運転サポート機能など運行管理の高度化に取り組み、さらなる安全運転、働き方改革を目指すとしている。