ティアフォー、コマツと建設機械の自動運転で協業 2027年度にダンプトラックを実用化へ
2025/9/22(月)
オープンソースの自動運転ソフトウェア開発を主導するティアフォーは、コマツおよびEARTHBRAINと、建設機械の自動運転技術の実用化に向けた協業を開始した。ティアフォーが持つオンロード車両の自動運転技術を、コマツのダンプトラックに応用。3社の強みを融合し、2027年度までに日本の土木・採石現場での実用化を目指す。
建設業界では、労働力不足が深刻な課題となっており、省人化・無人化施工の実現が急務となっている。この課題解決に向け、自動運転技術を持つティアフォー、建設機械の車両技術を持つコマツ、そしてデジタル技術で施工管理を行うEARTHBRAIN(コマツ子会社)の3社が手を組んだ。
今回の協業では、3社の強みを掛け合わせ、建設機械向けの自動運転システムと、それを統括する管制システムを共同で開発する。役割分担として、ティアフォーは自動運転システムの開発と現場への実装、EARTHBRAINは管制システムの開発、そしてコマツはベースとなる車両技術を提供する。ティアフォーがこれまで公道(オンロード)で培ってきたオープンソースの自動運転ソフトウェア「Autoware」の技術や知見が、建設現場(オフロード)という新たな領域で活用されることになる。
自動運転化の対象となるのは、まずコマツのアーティキュレートダンプトラック「HM400」(最大積載量40トン)と、リジッドダンプトラック「HD785」(同93.9トン)の2機種から開始する。これらの大型ダンプトラックの自動運転化により、以下のような価値の提供を目指す。
1.省人化と労働力不足の解消: 無人での運搬作業を実現し、建設現場の担い手不足という課題に直接的に貢献する。
2.運搬作業効率の飛躍的向上: 管制システムが現場の状況に応じて最適ルートを算出し、自動運転車両に指示。安定した自動制御と組み合わせることで、有人運転以上の効率的な運搬作業を可能にする。
3.環境負荷低減と安全性向上: 走行ルートや速度が最適化されることで燃料消費が抑制され、環境負荷を低減。また、無人稼働によりヒューマンエラーによる事故リスクをなくし、現場の安全性を大幅に向上させる。
3社は、今回の協業で開発するソリューションを、将来的には他の機種へ展開することや、製鉄所やプラントなど多様な現場への導入、さらには海外市場への展開も見据えている。土木・採石現場のスマート化を推進し、建設業界が直面する課題解決に貢献していく考えだ。