商用EVの導入拡大やエネルギーの最適利用が注目される中、丸紅が提供する「GOVAN」は、車両や充電器の選定から設置場所、充電計画の提案まで、商用EV導入に関するトータルサポートを行うサービスである。今回、TISは「Carbony」によるEV充電制御モジュールの開発経験を生かし、「GOVAN」システムの再構築を実施した。

TISの「Carbony」は、マルチステークホルダーと協力しながら持続可能な次世代エネルギー社会を目指す脱炭素ソリューションブランドである。近年、EV充電器の通信方式は各社独自仕様が多かったが、TISは国際規格（OCPP、OCPI）や国内規格（ECHONET-Lite）に対応する汎用性の高い充電器基盤の開発に取り組んできた。この技術を基盤として「GOVAN」の再構築を支援し、商用EV導入のさらなる効率化とサービス拡充を実現した。

これにより、「GOVAN」はシステム策定による複数台管理・最適な充電指示・最大需要電力の抑制などが強化され、施設の電気使用料低減や、現場に適した充電器選択肢の増加など利用者メリットが拡大した。

背景には、経済産業省が2035年までに乗用車新車販売を100%電動車とする方針を打ち出すなど、EV普及促進策がある。運送業界でもEV車両導入の動きが進み、国や自治体の補助金支援、公共施設での急速充電器の設置拡大が追い風となっている。

「Carbony」が選定されたポイントは、事業拡大に対応した運用保守の可能性や、国際プロトコル（OCPP／OCPI）対応の高度なシステム、充電インフラ事業者・プロバイダーとの柔軟な連携力にある。

今後、TISは商用EV充電インフラの高度化と普及を支え、エネルギーマネジメントやVPP（仮想発電所）プラットフォームとの連携による新たなサービス創出も視野に入れる。TISは「Carbony」を中心に、脱炭素・持続可能な社会実現に今後も貢献していく考えだ。