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トヨタ・モビリティ基金ら、見えチェック開発 自動車対歩行者事故削減へ

2022/9/20(火)

一般財団法人トヨタ・モビリティ基金(Toyota Mobility Foundation 以下、TMF)らは、薄暮時間帯(※)・夜間の自動車対歩行者事故削減を目的として、ソフトウエア「見えチェック」を開発した。9月14日付のプレスリリースで明かしている。
※ 日没時刻の前後1時間(プレスリリースより抜粋)
同ソフトウエアは、TMFと全国共済農業協同組合連合会(以下、JA共済連)が、岩崎電気株式会社の「光環境評価システム QUAPIX (クオピクス)」の技術を応用して開発した。自身の服装がドライバーからどのように見えるかをシミュレーション、服装の見えやすさを診断することができる。

薄暮時間帯・夜間の自動車対歩行者の交通事故を防ぐには、ドライバーが歩行者に対して細心の注意を払うことにくわえ、歩行者が自身の存在をドライバーに発見してもらうことが重要だ。同ソフトウエアを用いると、自身の姿がどのようにドライバーから見えるのか簡単にわかる。そのため、少しでも明るい服装を心がけたり、反射材を着用したりするなどの行動につながるきっかけとなる。

TMFとJA共済連は、交通事故ゼロを目指すという共通の想いのもと、互いの知見やネットワークを生かし、同ソフトウエアを活用したイベントの開催等、啓発活動を積極的に実施するという。

交通死亡事故は、一日の中で17時台~19時台において最も多く発生している。くわえて、薄暮時間帯の「自動車対歩行者」事故の時間当たりの死亡事故件数は、昼間と比べて約3.6倍発生している。

ドライバーから歩行者を視認できることは、事故防止に関する大変重要なポイントだ。しかし、薄暮時間帯に関するドライバー、および歩行者の意識調査によると、実際に対策をしている歩行者の割合は少ないという実態がある。

同ソフトウエアでは、複数のシーンにおけるシミュレーションが可能だ。昼間、薄暮、夜間、3つの時間帯における自身の見え方や、2つの距離における自身の見え方を検証できる。さらに、検証結果をA~Cの3段階で診断し、対策アドバイスが記載された「診断表」を提供する。

また、両者は、トヨタ博物館主催クラシックカー・フェスティバルや一般財団法人全日本交通安全協会主催反射材フェア2022に出展する。さらに、JA共済連が実施するドライビングシミュレーター搭載車両「きずな号」による全国展開をはじめ、同ソフトウエアを活用した啓発活動を開始する予定だ。

なお、TMFは、交通安全の実現には、「人」「車」「交通環境」の三要素が一体となった取り組みが重要だと考えているという。「人」は、ドライバーや歩行者という「人」に対する啓発活動だ。くわえて、安全な「車」を開発し、信号設置や道路整備など「交通環境」を整備する。

そして、同社は、啓発ツールの充実や関係機関と連携した「人」への啓発活動にくわえ、既存技術の組み合わせや、新たな技術や視点を導入する。これらの活動を通じ、「交通事故死傷者ゼロ社会」の実現に向けて取り組みを推進していくと述べている。


(出典:トヨタ・モビリティ基金 Webサイトより)

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