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東京メトロら、5Gを活用した各種鉄道システム実証で有用性確認

2025/6/23(月)

東京地下鉄(以下、東京メトロ)、鉄道総合技術研究所(以下、鉄道総研)、日立製作所(以下、日立)、三菱電機、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は6月18日、5Gを活用し、地下のトンネル内や地上の線路内等に設置された地上設備と列車間での通信を実現するための実証試験実施を発表した。

同実証の目的は、汎用性の高い5Gを活用した鉄道用通信基盤の実現、および鉄道用通信基盤システム共通仕様(案)の作成および標準化活動だ。パブリック(公衆網)/ローカル(自営網)5G※1を用いて、FRMCS※2を参照した鉄道用通信基盤のプロトタイプを東京メトロのフィールド内に構築し、鉄道の各種システムを想定した5G通信の実用性を2024年8月~2025年3月に東京メトロ丸ノ内線の新大塚~後楽園駅間で実施した。

試験結果から、通信の安定性により各種鉄道システムが問題なく機能し、5Gと鉄道用通信基盤の有用性が確認された。特に5Gを活用したCBTC※3システムの営業線における実証試験は、国内で初めての取り組みだ。

なお、東京メトロは、汎用性が高い5G技術の鉄道システムへの活用を可能とすることで、鉄道の維持管理コストの低減が期待でき、都市圏はもとより、地方路線においても、鉄道事業運営の持続可能性を高め、沿線価値および沿線住民の利便性の維持・向上に貢献するという。さらには、国際標準化への提案などにより、国際的プロジェクトへの参入時のハードルを引き下げ、海外鉄道ビジネスの展開にも貢献していくと述べている。

※1 自治体や企業が主体となり、限られたエリアで柔軟に5G網を構築できる無線通信システム。
※2 FRMCS Future Railway Mobile Communication Systemの略語。欧州を中心に規格の検討がされている次世代の鉄道向け無線通信基盤。様々な通信手段を集約し、通信状況に応じた柔軟な切替え制御を実現するシステム。
※3 Communications-Based Train Controlの略語。列車の安全・安定運行を制御するために地上と列車間で無線通信技術を利用する列車運行システムの一つ。(プレスリリースより抜粋)



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