東陽テクニカ、EV用の試験システムが中国・NIOで採用される
2021/2/8(月)
株式会社東陽テクニカ(以下、東陽テクニカ)は2月5日付けで発表を行い、同社製の「車両対応EMC※1試験システム」が中国のEVメーカーであるNIO(蔚来汽車)で採用され、2020年より本格稼働が始まったと明かした。
「車両対応EMC試験システム」は、自動車の車両自体の電気的ストレス(強電界など)に対する耐性試験、および車載電子機器の誤動作に起因して車両から放出される不要電磁波(電磁ノイズ)の測定をするシステムだ。このシステムは、厳しい電磁環境(さまざまな電磁波が存在する環境)により強く、誤動作をさらに抑えることができる車両開発や、自動運転に必要な通信性能を保証するためにも有用であり、安全・安心な自動車の開発に貢献できる。※1 Electro Magnetic Compatibility: 電磁環境両立性や電磁両立性。EMC試験では、電子機器が放出する電気的ノイズが他の機器へ影響を与えないこと、外部からの電気的ノイズにより電子機器の正常動作が妨害されないこと、という二つの特性を測定し、評価する。
中国では、このEMC試験が車両販売に必要な国家認証試験となっており、車両メーカーはこの国家認証の取得が義務化されている。
東陽テクニカが開発した「車両対応EMC試験システム」はこの国家認証試験規格に準拠し、これまで中国の国家認証試験機関や自動車メーカーに納入してきた。EMCシステムの日本国内での40年以上にわたる販売実績に加え、現地子会社である「東揚精測系統(上海)有限公司」の 300件以上のEMCシステム販売実績とその技術サポートが認められている。これらの実績が認められ、今回中国におけるEVメーカーとしては初めて、NIOで「車両対応EMC試験システム」が採用され、昨年から本格稼働を開始した。
【製品特長】 (1) 中国の国家認証試験規格「GB 14023、GB/T 33012」、国際規格「CISPR12、ISO 11451」、および各自動車メーカー規格試験に準拠し、中国での国家認証試験に対応
(2) 中国の国家認証試験規格要求 30V/mを大きく超える200V/mの強電磁界を発生し、より高品質な製品づくりが可能
(3) 簡単な動作で試験開始ができるなど、使いやすい UI(ユーザーインターフェース)を搭載
(4) 高い拡張性 ― 自動運転における通信品質評価ができるシステムにアップグレードが可能
(5) ユーザーの要求に応じて構成を変更できる柔軟なシステム
(6) ソフトウェアエラー検出機能を標準装備 ― タイムリーなカスタマーサポートの提供と容易なメンテナンス