凸版印刷、水素エネルギー市場参入 電極部材の生産設備を高知工場に導入
2023/8/22(火)
凸版印刷株式会社(以下、凸版印刷)は8月17日、触媒層付き電解質膜(Catalyst Coated Membrane、CCM)/膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly、MEA)の生産設備を高知工場に導入したと発表。これにより、高性能・高品質なCCM/MEAの量産が可能となり、8月より販売を開始するという。
CCM/MEAとは、水素を製造する水電解装置、水素の貯蔵や運搬に関わる電解槽、水素を利用する燃料電池において、中核となる重要な部材だ。同設備では、凸版印刷がこれまで大型カラーフィルタの製造で培ってきた大サイズ均一塗工技術や、枚葉基板搬送技術などの製造技術を活用し、CCM/MEAを枚葉式で量産することができる。
また、同設備は、世界初、独自の製造方式により、高出力CCM/MEAの量産が可能だ。さらに、ダイレクトコーティングで作製したCCM/MEAは、エネルギー変換効率を向上させることができる。
くわえて、同設備では、独自の添加材により、CCM/MEAの耐久性を向上させている。CCM/MEAのカスタマイズをすることも可能だ。独自のトレーサビリティシステムにより、高品質CCM/MEAを量産することもできるという。また、同設備を導入した高知工場では、自動車向けTFT液晶ディスプレイにてIATF16949※認証を取得している。
※ 自動車産業に特化した品質マネジメントシステムに関する国際規格。(プレスリリースより)
なお、同社は、今後事業成長とともに設備のサイズアップと増強を図り、水素を「つくる」「ためる・はこぶ」「つかう」の全領域にCCM/MEAを展開する。そして、市場へCCM/MEAを安定供給する役割を担い、水素社会の実現に貢献するとともに、事業の拡大を図り、2028年に100億円の売り上げを目指すと述べている。
(出典:凸版印刷 Webサイトより)