東芝、NTOを活用したリチウムイオン電池の有償サンプル提供開始
2025/6/9(月)
東芝は6月4日、ニオブチタン酸化物(以下、NTO)を負極に用いたリチウムイオン電池「SCiBNb」を6月から製造し、有償サンプルの提供を開始すると発表した。NTOを負極に用いたリチウムイオン電池の販売は世界初(2025年6月4日現在。東芝調べ。)だ。
同製品では、10分間の充電で約80%の超急速充電が可能であり、同時に、実用的な部分急速充電と放電を1万5000回以上繰り返しても80%以上の電池容量を維持することができる。これにより、バスやトラックなど特定ルートを高い稼働率で運行する大型EVでは、ルート内の特定箇所で高頻度に急速充電することで電池搭載量を減らすことが可能だ。さらに、劣化による電池交換の頻度を減らし、総所有コストの低減を期待できる。
また、同製品に搭載している負極材NTOは、内部短絡の要因となる金属リチウムの析出が原理的に起こらないため、急速充電を繰り返しても、長期間安心して使うことができるという。くわえて、今般サンプルの提供を開始する50Ahラミネートセルは、商用EV、船舶、定置用蓄電池などへの応用も期待できるとのことだ。
なお、同社は、リチウムイオン二次電池「SCiB」「SCiBNb」事業を積極的に展開し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していくと述べている。
(出典:東芝 Webサイトより)