東芝ら3社、中古EVの電池状態診断技術の実証実験実施に合意
2022/10/24(月)
株式会社東芝(以下、東芝)ら3社は、中古EV(電気自動車の中古車)の電池状態診断技術の実証実験を行うことに合意した。4月6日付のプレスリリースで明かしている。
EVは、2030年の温室効果ガスの削減目標に向けた脱炭素化の主役として、世界的に急速な市場拡大が期待されている。さらに、市場拡大に合わせて、中古車市場に流通するEVの台数も急速に増えることが予想される。しかし、中古EVの安全性と流通の活性化を目指す上で、「EV電池(車載バッテリー)」の状態診断やその診断結果に対する評価が極めて難しいという課題がある。EV電池は繰り返し充放電されるため、現時点では価値算定の指標がまだ確立されていない。
同実証実験は、株式会社ファブリカコミュニケーションズ(以下、ファブリカコミュニケーションズ)、丸紅プラックス株式会社(以下、丸紅プラックス)、東芝の3社で実施する。目標は、中古EVの安全性と流通の活性化を目的とした新しいサービスの検討だ。
また、同実証実験では、東芝が二次電池「SCiB」事業で培った電気化学的手法や統計的手法などの多様な電池劣化診断技術を用いる。同時に、簡素化した装置を活用することでEV電池の測定を短時間で行う。これにより、電池の残存容量や残存性能に加えて、電池そのものの内部状態まで詳細に把握する手法を検証する。
丸紅プラックスとファブリカコミュニケーションズは、同実証実験から得られたEV電池の測定データを、両社が事業を通して蓄積してきたさまざまな自動車データと組み合わせる。これにより、中古EVの安全性と適正な価値算定や評価手法の確立を目指す。これらの手法が確立すると、中古車業界向けに提供している既存プラットフォーム上に、新たに中古EV情報を組み込むことができるようになる見込みだ。
なお、3社は、同実証実験を通じて、次世代に向けたEV普及に寄与するソリューションやサービスの創出を進めていくと述べている。
(出典:東芝 Webサイトより)