今回活用した水素タンクは、燃料電池自動車(FCEV)「MIRAI」で採用実績がある。トヨタはこれまで、この水素タンクを鉄道・船舶・港湾等での荷役機器・定置式発電機などでも活用したいという要望を、多くの人から聞いていたという。しかし、分野や使用環境ごとに安全基準も異なり、幅広い用途では利用できない状況にあった。

政府も、安全を担保しながら、迅速に水素利活用を進めるためのさまざまな検討を進めている。トヨタも多くの人々と共に積極的に協力していきたいと考えている。今回の水素貯蔵モジュール開発も、そのような要望・水素利活用拡大に向けたものだ。このモジュールのコンセプトモデルを、3月16日～18日に東京ビッグサイトで開催される「FC EXPO(水素・燃料電池展)」に出展する。

また、トヨタは、スーパー耐久シリーズの場においても、2021年から水素を「つくる」「はこぶ」「つかう」の各フェーズについて仲間と共に実証を重ねている。今年も、3月19日～20日に開催される「スーパー耐久レース in 鈴鹿」を皮切りに、さらなる水素利活用の拡大に向けた仲間づくり・実証を進める予定だ。同レースでは、自動車用樹脂製高圧水素タンクを大量(16本のパッケージを2セット)に使って45MPaで充填し、燃料電池(FC)トラックで大容量の水素を運ぶ実証を行う。



なお、この実証は、容器に係る経済産業省の認定を受けて実施するもので、国土交通省が進めている水素利活用推進のための検討にも資する取り組みだ。トヨタは、今後もレースなどの機会を活用し、国の検討とも歩調をあわせ、自動車用として認められている70MPaでの充填に向けた実証も進めていくと述べている。



(出典：トヨタ Webサイトより)