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トヨタ 米の港湾局プロジェクト参画 FC技術を貨物輸送に活用

2018/9/19(水)

トヨタの北米事業体であるToyota Motor North America, Inc.(以下、TMNA)は、米国カリフォルニア州で、FC技術を活用して、貨物輸送のゼロ・エミッション化を目指したロサンゼルス港湾局のプロジェクトに参画することを発表した。同プロジェクトにおいて、エネルギー企業のシェル(Shell)、米トラックメーカーのケンワース(Kenworth)と協力している。

TMNAは、昨年の夏からFC大型商用トラックの実証実験を始めた。今年7月には、実用性を高めた改良型トラックを公開するなど、取り組みを進めてきた。ロサンゼルス港では、以前から加州エネルギー委員会の協力のもと、大気汚染物質を排出しないサプライチェーンや物流の構築に向けて、様々なゼロ・エミッション技術の検証が行われてきた。今回のプロジェクトで、ロサンゼルス市港湾局は、まず港湾エリアを中心に新たな貨物輸送車を導入し、大気汚染物質の影響が大きい地区における排出物質の削減を図る。

プロジェクトの主な内容

FC大型商用トラック10台を導入

トヨタは、ケンワースのプラットフォームをベースに、今秋より導入予定である改良型FC大型商用トラックの性能をさらに強化したトラックを10台開発する。これらのトラックは、ロサンゼルス港から、ロサンゼルス市外のヒューニーメ港のほか、同州内陸部のリバーサイド郡やマーセド郡などへの貨物輸送を行う予定。米国でトヨタの物流事業を担うToyota Logistics Servicesが10台のうち4台を、その他の貨物運送会社3社が残りの6台を使用する。
(United Parcel Service社が3台、Total Transportation Services社が2台、Southern Counties Express社が1台を使用)

大型水素ステーション2基を新設

シェルは、ロサンゼルス市のウィルミントン地区と同州内陸部に位置するオンタリオ市に、大型水素ステーション2基を新設する。FC大型商用トラックは、ロサンゼルス周辺のトヨタの施設内に設置された既存の3基を含め、合計5基の水素ステーションにおいて水素を充填する。

港湾敷地内や倉庫におけるゼロ・エミッション技術の利活用拡大

ロサンゼルス市港湾局は、ロサンゼルス市の北部に位置するヒューニーメ港に電動トラクター2台を新たに導入する。またトヨタは、トヨタの港湾倉庫で使用するフォークリフトのゼロ・エミッション化を進める。


なお、本プロジェクトは、カリフォルニア州大気資源局(CARB : California Air Resources Board)の補助金プログラムである「ZANZEFF : Zero-and Near Zero-Emission Freight Facilities Project(貨物輸送施設における大気汚染物質削減プログラム)」のなかで、4,100万米ドルの補助金交付の候補として選出されている。補助金が正式に承認された場合、プロジェクト費用(約8,300万米ドル)の約50%が助成されることになる。

ロサンゼルス港湾局は、将来的に、港湾エリア外へも取り組みを広げ、大気汚染物質を排出しない物流オペレーションを広範囲で構築することを目指している。これらの取り組みを通じて、年間で温室効果ガスの排出量を465トン、窒素酸化物やPM10など有害物資の排出量を0.72トン削減することができるという見込みだ。

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