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豊田通商、ケニアでテレマティクス保険システム提供のアイケアに出資

2021/5/31(月)

アイケアのシステム
(イメージ)

豊田通商株式会社(以下、豊田通商)は5月26日、グループ会社であるCFAO SAS(以下、CFAO)と2019年10月に共同で設立したMobility 54 Investment SAS(以下、モビリティ54)を通じて、ケニアで保険会社向けにテレマティクス保険システムを提供するAiCare Group, Inc.(アイケア・グループ・インク:以下、アイケア)に、新株予約権付転換社債の引き受けによる出資を行うと発表した。

※テレマティクス保険:自動車などの移動体に通信システムを組み合わせてリアルタイムに情報サービスを提供するテレマティクス技術を活用し、自動車に設置した端末で計測した走行距離や運転情報を保険会社が取得し、その情報から運転者の事故リスクを分析して、運転者ごとに保険料を算定する保険のこと。(豊田通商プレスリリースより)

ケニアでは、自動車保険への加入が義務づけられており、約300万台の車両に自動車保険が付保されている。しかし、保険料率の設定は、ドライバーの運転特性にかかわらず、車両価値を基準に、概ね一律の保険料が賦課されるため、優良ドライバーでも、自身の運転特性や事故リスクに対して相対的に高い保険料が設定されているという。

また、ドライバーの運転特性に関係のない一律の保険料設定は、ドライバーが安全運転を行う動機付けとしては機能せず、交通事故の抑止効果も低い。その結果、自動車保険は、保険会社にとって他の保険商品に比べてリスクの高い商品となり、積極的な事業拡大を妨げる要因となっている。

アイケアは、AI・機械学習技術を専門的に研究してきた創業者のもと、自動車の走行データや運転挙動データを用いて、自動車保険商品向けにドライバーの事故リスクを算定し、リスクスコアを数値化する技術を自社開発している。保険会社は、一から技術開発をする必要がなく、同スコアを用いて、各社独自のテレマティクス自動車保険商品を提供することが可能だ。

また、アイケアのシステムは、路面舗装状態に起因する振動や急ハンドルの感知は事故リスク算出データから除外するなど、アフリカの独特な道路環境や自動車の使われ方に合わせてデータ分析をしており、現地の実態に即した、適切な事故リスクを算出できる。

アイケアへの出資の目的は、アフリカの自動車保険産業において、テレマティクス保険を普及・浸透させることを通じて、ドライバーにより上質な保険サービスを提供することだ。豊田通商グループのアフリカ域内ネットワークを最大限活用し、アイケアのテレマティクス保険システムを、ケニア以外の国・地域へ積極的に展開していく。

テレマティクス保険は、今後アフリカにおいて想定されるコネクテッド事業との親和性も高い。豊田通商は、将来的には同事業との連携も図りながら、アフリカの安心安全なモビリティ社会創造を目指すと述べている。

(出典:豊田通商 Webサイトより)

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