トヨタとJR東日本、岩手県遠野市で公用車カーシェア実証 HV導入の効果を可視化
2025/10/29(水)
トヨタ自動車は、JR東日本、ジェイアール東日本企画と連携し、岩手県遠野市で市の公用車をカーシェアとして一般利用も可能とする実証実験を開始する。トヨタのカーシェアサービス「トヨタシェア」を活用し、公用車の遊休時間を有効活用することで、観光客などの二次交通を確保。ハイブリッド車(HV)とガソリン車を併用し、CO2排出量の差を可視化することで、環境車導入の効果も検証する。
今回の実証実験は、JR東日本が設立した「WaaS共創コンソーシアム」が推進する取り組みの一環で、地域の交通課題解決とゼロカーボン実現に向けたモビリティのあり方を探るものだ。
実証は2025年10月29日から2026年2月22日までの期間、岩手県遠野市で実施される。市が保有する公用車の一部に、トヨタのカーシェアサービス「トヨタシェア」のシステムを搭載。市の職員が業務で利用しない時間帯に、一般の利用者(市民や観光客)がカーシェアとして利用できるようにする。
この「公用車カーシェア」により、特に鉄道で遠野市を訪れた観光客などに対し、レンタカーに代わる新たな二次交通の選択肢を提供する。
本実証のもう一つの大きな特徴は、環境負荷低減効果の可視化にある。カーシェア車両としてハイブリッド車(HV)とガソリン車をそれぞれ導入し、利用シーンごとの詳細な走行データとCO2排出量を測定・比較。これにより、「ガソリン車をHVに1台置き換えた場合に、どれだけのCO2削減効果があるか」を具体的に算出する。
得られたデータは、遠野市の今後の環境車配備計画に活用されるほか、他の自治体や企業が事業用車を環境車へ置き換える際の判断材料として提供することも検討されている。
トヨタとJR東日本は、この実証を通じて、公用車などの事業用車両を活用したカーシェアが、二次交通の課題と環境負荷低減という二つの課題を同時に解決する有効な手段となり得るかを検証。将来的には、東北地方の他の地域への展開も目指すとしている。







