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対談:テイ・エス テック&世界ゆるスポーツ協会 「座る」を「楽しい」体験に。クルマにとどまらない愛されるシートの可能性(1/2)

2019/10/3(木)



――ゆるスポーツのコンセプトについて教えてください。

澤田氏:私はスポーツが苦手です。2013年の東京オリパラ招致決定を機に、スポーツを楽しめるようなことを考えようと思い、スポーツに関する文献を100冊以上読んで歴史を調べたところ、スポーツは元々deportare(デポルターレ)というラテン語が語源で、「日常から離れる」という意味があると知りました。

つまり原始的にはスポーツは生きることの辛さを一瞬でも忘れるためのものだったわけです。ただ、近代のスポーツは、政治やマーケティングツール、コンテンツとして恣意的に使われ、私たちのような運動が苦手な人が取りこぼされてきました。

そこで原点に戻ろうと「スポーツ弱者を世界からなくす」をコンセプトに、2015年に「世界ゆるスポーツ協会」を立ち上げました。4年の活動で誰でも楽しめる新しいスポーツを80競技ほど開発してきました。自分たちで開発したものが半分の40競技くらいで、残りは今回のTSテックさんのような企業との共同開発です。

郭氏:ゆるスポーツには、ユニークな競技がたくさんありますが、新しいスポーツはどのように開発してるんですか?

澤田氏:スポーツが苦手な人を設定して「この人が活躍できるスポーツを作ろう」と開発しています。ここで大事なのが、苦手な人の意見を単にヒアリングしても、本質にはたどり着けないと思います。ヒアリングってなんか身構えちゃうじゃないですか。

だから、私たちは、その相手と友達になる。友達にしか話さないような悩みを聞いて、同じ目線に立って考える。その時はお互いの企業や社会的な属性なんて関係無い。一人ひとりに寄り添ってコンテンツ開発をすると、ユニークな課題が抽出されて、ユニークなアウトプットが生まれると思います。

郭氏:今回の緩急走でいうと、女性3人の車イスチャレンジユニットのBEYOND GIRLSさんは欠かせない存在でしたね。

澤田氏:そうです。スポーツコンテンツは誰と開発するかが重要で、彼女達には緩急走を3回ずつトライアルしてもらい、彼女たちが活躍できるように細かくチューニングして、5月19日の「ゆるスポーツランド2019」※4で参加者の皆さんに体験していただきました。結果、240名の参加者の中でBEYOND GIRLSのメンバーの一人が全体で二位の成績を収めました。彼女達を起点に開発したので、誰もが好成績を収められるようになっています。

※4 世界ゆるスポーツ協会主催の公式イベント。2019年で4年目を迎える。イベントでは同協会が提供する40種目以上の中から20以上のゆるスポーツ競技を実際に体験ができる。
 

女性3人の車イスチャレンジユニットのBEYOND GIRLS


2/2に続く

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