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対談:テイ・エス テック&世界ゆるスポーツ協会 「座る」を「楽しい」体験に。クルマにとどまらない愛されるシートの可能性(2/2)

2019/10/3(木)



――愛されるシートの今後について教えてください。

郭氏:愛されるシートは、社会的に意義のあることを増やして、コミュニティが生まれて、その中で技術が育つプラットフォームを目指しています。「座るを楽しむ」という概念が広がっていけば、それを使いたい人は増えると考えているので、必然的にビジネスにつながるはずです。思い描いた愛されるシートの可能性の実現に向けて地道に一つずつやっていくことが大事だと思っています。自動車領域にとどまらない、ヘルスケアであったりエンターテイメントであったり、新しいコンテンツを増やしたいですね。

澤田氏:コンテンツというものを考えた時、場所に依存するものとしないものに分かれます。例えば、場所に依存しない映像配信のようなサービスと、依存するテーマパークでは、各々どちらにも良さがありますが、忘れがたい体験・経験として、より強く記憶に残るのは場所に依存するコンテンツの方でしょう。

そう考えるとシート自体が場所なので、「緩急走」のようにシートの上で何かをやることは、より記憶に残る経験になり得るわけです。シートデバイスを使ったコンテンツは、新しい経験として忘れ難い経験になる可能性があるし、ビジネスとしてもコアファンを作るチャンスがあると思っています。「場所そのもの」であるシートから始まっている時点で、愛されるシートはコンテンツとして面白いし可能性を秘めていると思います。そもそも人が休息するためのものから、人を健康にするものへとパラダイムシフトさせた時点で、すでにコンテンツとしての勝負に勝っていると言えるかもしれません。

郭さんとしては、愛されるシートをどんなところで使ってみたいですか?

一般社団法人世界ゆるスポーツ協会代表の澤田智洋氏(左)とTSテック商品開発部の郭裕之氏(右)



郭氏:クルマもそうですが、電車とかでみんなが椅子に座って楽しそうに体を動かしていたら面白いだろうなと思います。

澤田氏:私はクルマが案外良いんじゃないかと思っています。これは仮説ですが、日本人はシャイでFace to Faceで向かい合うのが得意ではない傾向があるため、同じ方向を見る方が人間関係構築には有効だと思います。

例えば、以前は、縁側に座って景色を見ながら話したり、食卓では家族一緒にテレビを見たり、クルマも同じで、家族が一つの空間で同じ景色を見て感動を分かち合う機会がありました。

しかし、クルマに乗っても自分のスマホを見ていて、コミュニケーションツールとして車室空間の価値を最大化できない状態です。たとえば、そこに「緩急走」が入ったら、クルマの本質的な、みんなが同じ方向、同じ景色を見るという価値をもう一度取り戻すことができるかもしれない。そんな価値を信じてやってみると面白いのではないかと思います。帰省ラッシュの高速道路で、イライラする渋滞中なのに車内でみんなが爆笑しているみたいな。

郭氏:良いですね。ひとと人をつなぐ、正に愛されるシートのビジョンです。

普及には、より多くの方々にシートを知っていただくことも必要です。TSテックでは今年10月の東京モーターショー2019に愛されるシートを展示する予定です。ぜひ実際に愛されるシートに座って、「座るを楽しむ」体験していただきたいです。

■愛されるシート特設サイト

愛されるシート特設サイト

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