Will Smartとゼンリンが協業 「交通空白」による課題把握解消へ
2025/4/7(月)
株式会社Will Smart(以下、Will Smart)と株式会社ゼンリン(以下、ゼンリン)は4月2日、「交通空白」による課題の把握・解消のため、データを活用した地域の交通ニーズの調査から地域に最適なモビリティサービスの開発までをトータルでサポートするソリューションの提供に向けた協業開始を発表した。
今回の協業の目的は、精度の高い「地域公共交通計画」※策定のためのデータ分析基盤の開発や交通空白地向けの事業支援・システム構築だ。具体的には、移動の実態を可視化するデータ分析基盤の開発、地域公共交通計画策定業務支援、交通空白地向けモビリティサービスの提供を行うという。
移動の実態を可視化するデータ分析基盤の開発では、地域交通事業者が持つ時刻表や乗降データなど形式の異なるさまざまなデータを取得し、ゼンリンが提供する地理空間情報と統合して分析することで、潜在的な移動需要や路線再編の必要性などを可視化する分析基盤を開発。これにより、地域公共交通計画策定時におけるエビデンスの収集を効率化する。また、この分析基盤を自治体・交通事業者間のデータ連携基盤として整備し、迅速な意思決定や施策の実行に役立てるという。
一方、地域公共交通計画策定業務支援では、ゼンリンの地域公共交通分析のノウハウとWill Smartのモビリティシステム提供実績を掛け合わせ、地域の交通ニーズや移動実態等を調査して現状の課題を明確にしたうえで、地域の実態に即した交通システムの提案や新しい交通手段の導入などを含む実効性の高い地域公共交通計画の策定を支援するとのことだ。
▼関係者のコメント
■Will Smart 代表取締役社長 石井康弘氏のコメント
創業以来、当社はゼンリングループの一員としてDXによる地域交通インフラの課題解決に注力してまいりました。現在、我が国では労働生産人口が急速に減少しており、地域交通分野では職業ドライバーの不足が課題となっています。
当社は、国土交通省が重要政策として取り組む「交通空白」解消の推進に貢献することを事業の重要テーマとして位置付けており、この取り組みをさらに強化・加速するため、このたびゼンリンと連携いたします。
両社の持つ強みを掛け合わせたソリューションの開発を行うとともに、ゼンリンが有する販売ネットワークを活用し、全国の自治体の課題解決を支援してまいります。
■ゼンリン 公共ソリューション事業本部長 礒尚樹氏のコメント
当社はこれまで、街の姿を忠実に地図というカタチで再現し、多くの自治体や企業とともに地図ソリューションを通じて、防災・減災、交通、観光などさまざまな街づくりの課題に対して貢献してまいりました。
中でも、少子高齢化を背景とする地域におけるヒトやモノの移動に関わる社会課題については重点的に取り組んできたテーマになります。この度、本領域におけるシステム開発力やデータ分析力を兼ね備えるWill Smartとの連携により、政府が推し進める「交通空白」解消の推進とも連動し、取り組みを加速していきます。
引き続き、クルマの自動運転/ADASやドローンの自律飛行といった、デジタル技術を活用した新たなサービスが創出できる、社会基盤としての新たな地図データの提供にも意欲的に取り組みながら、地域・企業と連携して共創を図り、課題解決に取り組んでまいります。
※ 地域公共交通計画:地域公共交通の活性化及び再生に関する法律(令和2年11月改正)に基づき、地方公共団体が作成する「地域にとって望ましい地域旅客運送サービスの姿」を明らかにする地域公共交通のマスタープラン。