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ゼンリンデータコムら、大分港にてドローンによる遠隔自動点検の有効性検証

2021/11/1(月)

株式会社三井E&Sマシナリー(以下、三井E&Sマシナリー)と株式会社ゼンリンデータコム(以下、ゼンリンデータコム)は、ドローンによる遠隔自動点検の有効性を検証した。10月25日付のプレスリリースで明かしている。検証は、大分港大在コンテナターミナル内の港湾クレーンを対象として実施した。
両社はこれまでに、ドローン自動飛行による港湾クレーン点検技術を確立し、港湾クレーンの構造物点検の一部をリアルタイムでの映像確認および画像撮影することに取り組んできた。同実証実験では、4G(LTE)回線を利用したドローンの遠隔操縦技術とドローン自動飛行によるクレーン点検技術を組み合わせる。目的は、点検作業の効率化や省人化だ。

同実証実験は、大分県の協力のもと、8月2日から8月5日まで「遠隔ドローン自動飛行点検」の技術検証となる実証実験を実施した。遠隔地から目視外飛行にて、ドローン自動飛行によるリアルタイムでの映像確認および画像撮影を行う。

使用する機器については、DJI JAPAN株式会社の技術協力を受けて、同社の最新型産業用ドローンMatrice 300 RTKと同社カメラZenmuse H20を使用した。ドローンの位置制御には、RTK測位に対応したソフトバンクの高精度測位サービス「ichimill」を利用している。
三井E&Sマシナリーは、飛行申請、飛行ルートの設定および、機体のオペレーションを担当した。ゼンリンデータコムは、遠隔飛行ルート設定プログラムの作成、ドローンの4G(LTE)回線利用のための調査及び関係各社との調整、各種申請関連の支援を行っている。大分県は、実証実験の実施場所を提供している。

大分県では、IoTやロボット、ドローン、アバターなどの先端技術を活用することで、「先端技術への挑戦」を推進している。同取り組みの目的は、地域課題の解決や新しい産業分野として県内産業の振興だ。IoTやドローンを活用した保全・保安の取り組みについては、大分コンビナート企業協議会や大分県ドローン協議会などとも連携している。地域における社会実装を促進しており、引き続き、同取り組みの推進を支援する。

今回の実証を通して、4G(LTE)回線による遠隔自動飛行ドローンで、遠隔地から港湾クレーンの点検が実現可能であることを確認した。これにより、現地に出向くことなく港湾クレーンの点検が可能となり、点検作業のさらなる効率化・省人化が期待できる。ドローンの飛行と点検箇所の撮影は自動で全て行うため、操縦スキルに依存しない安定した撮影が可能だ。さらに、現在開発中の港湾クレーン点検管理システム内で点検結果とともにクラウドに蓄積することで、効率的な運用管理ができる。このシステムは、三井E&Sマシナリーの港湾クレーンの次世代遠隔モニタリングシステム「CARMS」と連携も可能だ。

また、詳細に確認したい箇所があった場合は、自動飛行から手動飛行に切り替え、カメラを調整することで、その箇所の状態を詳細に確認可能であることも検証した。4G(LTE)回線を用いたドローンによる遠隔自動飛行点検と遠隔での手動操縦による点検の併用での実施は、国内で初めての取り組みだ。

なお、両社は、今年度中に大分県の協力のもと、同コンテナターミナルで追加検証を実施するという。港湾クレーンの遠隔点検の実用化に向けて取り組み、ドローンの社会利用の可能性を検討すると述べている。


(出典:ゼンリンデータコム Webサイトより)

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