次世代の通信5Gが自動車に搭載されるのか?CES2017に見る標準化の動き
2017/3/14(火)
次世代カーナビゲーションシステムやコネクテッド・カー、自動運転自動車で不可欠になものの一つであるネットワーク。M2Mと呼ばれる車間通信も含めて、大量の情報を正確に
自動車業界での5G普及に向けた動き
5Gとは、4GやLTEの次にあたる第5世代移動通信システムを指し、2020年の商用サービスの開始を目指した研究と実証実験が行われている。最高速度はLTEの約1000倍にあたる10Gbps以上に達するため、4Kや8Kの高解像度の映像配信も可能になる。
また、一定の帯域ではなく、低い周波数からミリ波まで複数の周波数帯を最適に組み合わせるため、高速かつ実行転送量を高く設定した通信が可能になる。
自動車向けの5Gの規格整備と普及に向けては、AudiやBMWグループ、Daimler、Intel、Qualcomm、Ericsson、HUAWEIら33の複数企業で構成され、2016年9月に設立された5GAA(5G Automotive Association)が中心になって動きを進めていた。
さらに先日、5GAAとEATA (European Automotive Telecom Alliance)が提携することになり、標準化や関連の利用事例に加え、コネクテッドおよび自動運転のソリューション分野での協力を促進することになった。EATAは、電気通信やベンダー、自動車メーカー、サプライヤーなどを含む6つの主要組織と38企業で構成されている。
提携の主な目的は、欧州での普及促進で、まず最初に実際の道路で自動運転に必要なハイブリッド通信の性能をテストするプロジェクトを進展させ、その後のサービスと技術のロードマップ、安全とセキュリティーのニーズなどを分析。国境を越えた相互運用性にも取り組む。
自動車間からあらゆるものへの接続へ
<img015>Qualcommは自動車エリア(ノース)とメインホール(セントラル)の2箇所にブースを出展。ノース側では自動運転自動車システムやコネクテッド・カー搭載のチップなどを紹介。
5G市場に向けて先行した動きを見せているのがQualcommで、CESではCEOのSteve Mollenkopf氏は「5Gは新しいタイプのネットワークとして膨大な数のデバイスを前例のない規模と速度でサポートする」と述べている。同社が行った調査によると、5Gの経済効果は2035年までに全世界に広がり、最大で12兆2000億ドルの経済効果をもたらす可能性があるという。
また、最大で2200万の雇用を支援するほどの規模に成長すると見込まれ、その対象は、自動運転自動車をはじめ、IoT、ドローン、ヘルスケア、ウェアラブルと幅広い。
さらにQualcommは、昨年末に自動車向け半導体トップのNXP Semiconductorsを買収すると発表しており、その手続きが現在進行中だ。実現すればQualcommが自動車向け半導体でトップとなり、大きな存在感を発揮する。また、自動車メーカーのVolkswagenともパートナーシップを結んでおり、自動車以外でも5Gインフラの整備に向けて、AT&Tおよび、Ericssonと協業することも発表している。
Qualcommが買収することを発表したNXP SemiconductorsのCES出展ブース。
自動車と自動車を結ぶM2MおよびV2V通信の取り組みも、IoTの影響により、自動車間だけでなく自動車とその他を結ぶV2X通信へとシフトする傾向も見られる。車間通信は、衝突防止や渋滞の緩和など自動車の安全を守る上で欠かせない技術として、オバマ政権時代は義務化が進められていたが、新政権の下ではどのようになるかは現時点では不明であり、帯域もどこを使うのかは調整が必要とされている。
いずれにしても5Gの規格そのものは、スマートフォン向けが先行して発表されたばかりでもあることや、他の通信方式と比較した安定性や接続性、さらにはコスト面などトータルな実証実験が必要なことから、自動車向けの規格や技術開発に関する情報や具体的な取り組みはまだこれからだと言えそうだ。
自動車業界での5G普及に向けた動き
5Gとは、4GやLTEの次にあたる第5世代移動通信システムを指し、2020年の商用サービスの開始を目指した研究と実証実験が行われている。最高速度はLTEの約1000倍にあたる10Gbps以上に達するため、4Kや8Kの高解像度の映像配信も可能になる。
また、一定の帯域ではなく、低い周波数からミリ波まで複数の周波数帯を最適に組み合わせるため、高速かつ実行転送量を高く設定した通信が可能になる。
自動車向けの5Gの規格整備と普及に向けては、AudiやBMWグループ、Daimler、Intel、Qualcomm、Ericsson、HUAWEIら33の複数企業で構成され、2016年9月に設立された5GAA(5G Automotive Association)が中心になって動きを進めていた。
さらに先日、5GAAとEATA (European Automotive Telecom Alliance)が提携することになり、標準化や関連の利用事例に加え、コネクテッドおよび自動運転のソリューション分野での協力を促進することになった。EATAは、電気通信やベンダー、自動車メーカー、サプライヤーなどを含む6つの主要組織と38企業で構成されている。
提携の主な目的は、欧州での普及促進で、まず最初に実際の道路で自動運転に必要なハイブリッド通信の性能をテストするプロジェクトを進展させ、その後のサービスと技術のロードマップ、安全とセキュリティーのニーズなどを分析。国境を越えた相互運用性にも取り組む。
自動車間からあらゆるものへの接続へ
<img015>Qualcommは自動車エリア(ノース)とメインホール(セントラル)の2箇所にブースを出展。ノース側では自動運転自動車システムやコネクテッド・カー搭載のチップなどを紹介。
5G市場に向けて先行した動きを見せているのがQualcommで、CESではCEOのSteve Mollenkopf氏は「5Gは新しいタイプのネットワークとして膨大な数のデバイスを前例のない規模と速度でサポートする」と述べている。同社が行った調査によると、5Gの経済効果は2035年までに全世界に広がり、最大で12兆2000億ドルの経済効果をもたらす可能性があるという。
また、最大で2200万の雇用を支援するほどの規模に成長すると見込まれ、その対象は、自動運転自動車をはじめ、IoT、ドローン、ヘルスケア、ウェアラブルと幅広い。
さらにQualcommは、昨年末に自動車向け半導体トップのNXP Semiconductorsを買収すると発表しており、その手続きが現在進行中だ。実現すればQualcommが自動車向け半導体でトップとなり、大きな存在感を発揮する。また、自動車メーカーのVolkswagenともパートナーシップを結んでおり、自動車以外でも5Gインフラの整備に向けて、AT&Tおよび、Ericssonと協業することも発表している。
Qualcommが買収することを発表したNXP SemiconductorsのCES出展ブース。
自動車と自動車を結ぶM2MおよびV2V通信の取り組みも、IoTの影響により、自動車間だけでなく自動車とその他を結ぶV2X通信へとシフトする傾向も見られる。車間通信は、衝突防止や渋滞の緩和など自動車の安全を守る上で欠かせない技術として、オバマ政権時代は義務化が進められていたが、新政権の下ではどのようになるかは現時点では不明であり、帯域もどこを使うのかは調整が必要とされている。
いずれにしても5Gの規格そのものは、スマートフォン向けが先行して発表されたばかりでもあることや、他の通信方式と比較した安定性や接続性、さらにはコスト面などトータルな実証実験が必要なことから、自動車向けの規格や技術開発に関する情報や具体的な取り組みはまだこれからだと言えそうだ。