アリババグループと吉利汽車、自動運転可能なEV開発で戦略的提携
2023/2/15(水)
アリババグループは2月13日、中国の自動車メーカー吉利汽車(GEELY)と自動運転が可能なEV開発に関する戦略的提携を発表した。
近年、中国ではコネクテッドカーや電気自動車、自動運転車が台頭している。中国の国家機関である国家発展改革委員会によると、中国におけるコネクテッドカーの数は2025年までに2800万台に達し、同国の自動車の82%を占めると予測されている。アリババは、自動車向けクラウドコンピューティングを手掛けており、中国の自動車会社の70%以上がAlibaba Cloud(アリババクラウド)のクラウドサービスを活用している。中国の電気自動車メーカーである小鵬汽車(XPENG Motors)も2022年、自動運転車のAI性能向上を目的に、Alibaba Cloudの高機能クラウドコンピューティングを導入した。
今回の提携では、アリババのデジタル技術と吉利汽車の自動運転に関する専門性を持ちより、クラウドコンピューティング、持続可能な開発、デジタルマーケティングなどの分野で協力を深める。
吉利汽車は、高性能な電気自動車の販売だけではなく、自動運転技術の強化を通じ自動車企業からモビリティテック企業へと変化を遂げようとしている。これには高性能なクラウドコンピューティングと人工知能(AI)が不可欠だ。
アリババは、Alibaba Cloud活用による高効率・高速処理の実現にくわえ、吉利汽車の研究所との連携による高性能なコンピューティングシステムの研究や、データ分析に基づいた製造ライン構築などの支援を行う予定だ。
また、吉利汽車は、今回の提携により、アリババのECプラットフォームTmall(天猫、Tモール)のマーケティングに関する知見を活用することも可能となる。例えば、Tmallは、車種の検索から車両の引き取り、配送までのワンストップ・ソリューションやライブコマースなどのマーケティングツールを吉利汽車に提供している。視聴者はライブコマースから試乗予約や注文をすることも可能だ。
なお、アリババは、今後もクラウドコンピューティングやデジタルマーケティングツールなどの強みを生かし、自動車における技術革新から販売促進まであらゆる側面から自動車業界を支援する。これにより、より安全で快適な移動手段を消費者に届けていくと述べている。