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百度、「China Speed」で差をつけるAIと自動運転開発

2018/4/13(金)



Udacity Founder, President
Sebastian Thrun氏


Apolloプロジェクトでは、すでに多様な分野の企業・大学がパートナーとなっている。中国ローカルのパートナーでは、自動車会社以外にも、レンタカー会社の「神州優車集団(UCAR)やナビゲーション会社「北斗星通(BDStar Navigation)」など、さまざまな企業と連携している。グローバルパートナーでは、Qualcomm、Microsoft、TOMTOM、Intel、Boschなどが会場にも登場し、共に取り組む姿勢が表された。また、Udacityの協力によって、自動運転技術のe-learningを行なうことを発表した。自動運転入門コースでは、2018年内にグローバルにリリースする予定である。
さらに、発表会の場で、張亜勤氏は2億ドルの「Apollo South East Fund」の設立を発表した。このファンドは、シンガポール政府の協力を得て、東南アジアに自動運転技術のビジネス化とスマート・トランスポートを導入することが目的である。また、百度は世界各地にApolloグローバルラボラトリーの設置を計画しており、地域の枠組みを越えた取り組みが見られる。
 

■DuerOS搭載プロダクト:7月に日本発売

対話プラットフォームDuerOSのシステムが搭載された3つの製品について、DuerOS事業部の最高責任者である景鯤氏が説明した。「機械的な音声制御を超えた、自然に会話ができるスマート家電」というコンセプトで開発され、24時間さまざまな場面で利用できるデバイスとして設計されたという。天気予報・ニュースを教えてくれたり、自宅に居ながらクルマや車内エアコンを起動させたり、いつも通っているピザ屋さんに電話をかけたり、子どもに「白雪姫」を読み聞かせてくれたりするなど、「小度小度(Xiaodu Xiaodu)」と呼びかけるごく自然なインタラクションによって、さまざまな操作が可能になる。

DuerOS搭載プロダクト


「Sengled Smart Lamp Speaker(DuerOS × Sengled)」、「Little Fish Smart Robot(DuerOS × 小魚在家)」、「popIn Aladdin Projector Lamp(DuerOS × XGIMI × popIn)」の3つの製品が披露され、展示ブースでも実際の操作が可能であった。ランプ+プロジェクトの「popIn Aladdin」は、7月に日本で発売の予定。日本は、DuerOSを搭載した製品の、初の海外マーケットとなる。1つのデバイスで、ランプ+プロジェクターという機能を持ち、テレビなどの家電が不要になるため、コンパクト化を追求する日本市場がターゲットになった。
他の2つの製品は、2018年3月・4月に中国をはじめとして発売する予定。「Little Fish Smart Robot」は360度カメラが搭載された家庭用ロボットで、動画・通話などのエンタメの他、顔の識別、職場から自宅の様子を監視することなどができる多機能型AIロボットとなっている。「Sengled Smart Lamp Speaker」はランプとスピーカーを結合したプロダクトで、音声制御でランプの照度を調整したり、音楽を聴いたりすることができる。
DuerOSプラットフォームは、リリースしてからの半年の間に、Huawei、小米、Lenovoなどのスマートフォン・パソコン会社、HARMAN、SONOS、海尔(Haier)、美的(Midea)などの家電生産メーカーがパートナー企業となった。DuerOSは家庭内での使用だけでなく、持ち運び可能な形で、モビリティでの使用も検討されている。「カスタム性は一番重要なことだ」と景氏が述べた。

AIは人々の生活に徐々に浸透していき、百度本社のカフェテリアでは、すでに顔の識別だけで支払いができるようになったという。陸氏は「AIには国境の制限がないため、AIイノベーションは世界の人々のためになる。もっと素敵な世界にするために、皆さまと共に努力していきます。イノベーションは、China Speedで加速しています」とAIイノベーションに向けた決意を強く語った。AI分野において、今後の百度、中国の動向に注目が集まる。
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