「Dispatcher」は、自動運転車両を遠隔地から運行管理するためのシステムだ。自動運転バスをはじめ、ドローンや車いす、物流ロボットなどの多様な自動運転モビリティ30種類と接続できる。車両情報の表示やアラート通知などの基本的な運行管理機能を備え、国内4カ所で定常運行している自動運転バス(計6台)の遠隔監視に利用されている。

また、「Dispatcher」は、2022年6月以降に「車内移動検知AI」、「Dispatcherコネクト(API提供)」、「LINEバス予約」、「地図カスタマイズ機能」、「ライセンス期限通知機能」を追加している。

「車内移動検知AI」では、車内に設置したカメラの映像を基に、車両走行中の乗客の立ち歩きをAIで検知して遠隔監視者にアラートで通知する。「Dispatcherコネクト(API提供)」では、取得した車両の位置情報やアラート情報をAPIで提供し、他のシステムと連携できる。

くわえて、「LINEバス予約」では、配車予約と定期便乗車予約を提供している。配車予約では、指定したバス停・時刻にバスが自動で配車される機能だ。一方、定期便乗車予約では、定常運行しているバスの乗車予約ができる。乗りたいバス停と降りたいバス停、乗車したい便を選んで予約すると席を確保することが可能だ。

ほかにも、「地図カスタマイズ機能」では、GeoJSON※形式で地図上に任意の図形を描画し、そこに階数・色・名称などを指定して表示できる。「ライセンス期限通知機能」は、「Dispatcher」上で管理している車両や営業所、従業員それぞれに対して、各種許可証を登録して指定日に通知を出すことができる機能だ。


また、「Dispatcherダッシュボード」には、バスの走行ルート、停車するバス停、到着予定時刻などを乗客向けに表示したり、乗務員がタッチパネル操作により遠隔監視室に発信して通話するなど、車内で必要とされる機能を備えている。これにより、乗務員はキーボード操作をすることなく、運転操作と車内案内業務をシームレスに行うことができる。

なお、BOLDLYは、今後も「Dispatcher」のアップデートを続けて「Dispatcher」の普及を推進し、地域や企業の持続可能な移動サービスの実現に貢献することを目指すと述べている。