BOLDLY、顔認証による運賃決済を検証 神奈中らの自動運転バス実証実験で
2021/2/2(火)
ソフトバンク株式会社の子会社であるBOLDLY株式会社(以下、BOLDLY)は、神奈川中央交通株式会社(以下、神奈川中央交通)が横浜市栄区で実施する中型自動運転バスの実証実験に参画し、顔認証による運賃決済を想定した仕組みなどを検証すると発表した。
横浜市栄区における中型自動運転バスの実証実験は、経済産業省・国土交通省の事業を受託した国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)から選定された神奈川中央交通が、2月9日から3月5日まで実施するもの。自動運転バスの実用化に必要な技術や事業環境などの整備を目的として、最先端技術の検証に加え、地域内の移動手段の可能性に関する調査を行う。また、BOLDLYは、具体的に以下2つの内容について検証する。
一つ目は、顔認証による運賃決済を想定した仕組みだ。運転手がいない自動運転バスの運賃決済を顔認証で実現することを目指し、日本コンピュータビジョンが提供する顔認証ソフトウエア開発キットを活用したシステムで、個々の乗客が乗降したバス停を自動で判別する検証を行う。乗車口と降車口付近にそれぞれカメラを設置して、乗降時の乗客の画像を読み込み、位置情報と連携させることで、その乗客の乗車区間を、降車時に降車口付近のモニターに瞬時に表示する。将来的には、このシステムと決済システムを連携させることで、乗車距離に応じた運賃の決済を顔認証により実現することを目指す。
二つ目は、自動運転車両運行プラットフォーム「Dispatcher」と座席センサーの連携だ。今回の実証実験において自動運転バスの遠隔運行管理に活用するBOLDLYの「Dispatcher」と、トーヨーケムが座席に設置したセンシングシステム「Fichvita」を連携し、「Dispatcher」で乗客の着座人数をリアルタイムに確認できるようにする。自動運転バスの利用状況をより精緻に把握して需要の検証を行う。