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山間部などで実施した大型ドローン実証の概要が公開 資材運搬など重量物運搬に活用 

2020/12/25(金)

株式会社クリーク・アンド・リバー社(以下C&R社)は2020年、ドローンを開発するサイトテック株式会社(以下サイトテック社)と共同で、山間部を中心に、主に5つの分野(物流・輸送、林業、土木・建設、医療・災害、計測・調査)で最大離陸重量25kg以上の無人航空機を活用した重量物運搬の検証を実施。23日にそのプロジェクトの内容を発表した。

現在、林業、土木建設、災害救助、計測・調査などにおいて、山の急斜面での運搬作業は人にかかる負担やリスクが大きく、作業効率化やコスト削減を目的に、大型ドローンの導入が求められている。また中山間地での物流においても、公共機関が行き届かないことやドライバー不足を背景に、ドローンが新たな輸送手段として期待されている。

しかし、山間部では気候の変化が激しく、電波障害も起こりやすいことに加え、安全な離発着場所の確保も難しい。C&R社は今後、ドローンを活用した重量物運搬の実運用化に向けて、2020年に実施した検証データやノウハウをもとに、定常的な運航実績を積み重ねながら、機体やオペレーションの改善、UTMを始め周辺システムとの連携、環境整備など、関連する企業や行政とともに進めていく方針だ。

C&R社はサイトテックの技術を最大限に活かすべく、2019年に実施した陸上自衛隊との共同演習をはじめとして、営業、マーケティング支援、関係各所との調整などを行い、大型ドローンの社会実装に向け、実績を積み重ねている。

今回主に5つの分野で実証を実施。「物流・輸送」では八ヶ岳連峰における山小屋への日用品を輸送し、「林業」では苗木や林業資材(滑車やワイヤーなど)を運搬した。

「土木・建設」では作業場へ建築資材(長さ4mの鉄パイプや足場板)を運搬、ピストン輸送によって3日で約1トンの運搬に成功した。

「医療・災害」では緊急時に陸上輸送が困難な場面を想定した医薬品搬送やドローンで水に浮かぶ救助用ロープや浮輪、20kgとなるブイを投下し消防隊との水難救助共同訓練を行った。

「計測・調査」ではグリーンレーザーやガス分析機器などを搭載しての計測・調査を実施した。



実証実験で使用した大型ドローンはサイトテックが独自で開発・製造・販売している機体だ。パートナーシップを拡大し、継続的なバージョンアップを行っている。

C&R社は、レベル4(有人地帯における目視外飛行)の実現を見据えつつ、まずはレベル3(無人地帯における目視外飛行)となる山間部での検証を繰り返す中で、現場の声を拾い課題を明確にし、各専門領域におけるパートナーとともに、今後もドローンの社会活用を積極的に提案・推進していく考え。C&R社は今後も、ミッションである「プロフェッショナルの生涯価値の向上」と「クライアントの価値創造への貢献」を目指し、事業を展開する予定だ。

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