AI+ロボティクス技術=夢のクルマ社会を実現する動きがはじまった 「CES 2017」レポート
2017/11/17(金)
クルマ版IoTへと役割が変化するコネクテッドカー
Android autoやApple CarPlayをはじめとするコネクテッドカーもまだまだ話題だ。ただし、今年はクルマ版の「IoT(モノのインターネット)」へと位置付けが変化したという印象だ。これまでのコネクテッドカーはスマホやアプリをクラウドでつないで、車内エンターテインメントやドライブ情報をオンラインからリアルタイムで引き出すといったものであった。それに対し、今年はドライバーや運転履歴といったデータを蓄積して分析し、より高度なナビゲーション機能や安全対策に結びつけようという動きが始まっている。
具体的には、Microsoftが発表したコネクテッドカー向けプラットホーム「Microsoft Connected Vehicle Platform」や、フォードやトヨタがオープンソースで提携する「SmartDeviceLink コンソーシアム」などがあり、そこへ搭載するためのアプリ開発がさらに激化する可能性がある。
また、この先クルマがますますコンピュータ化し、OSとソフトウェアのような関係で開発が進んでいくと見ているのがBlackberryで、同じく車載OSの開発を進めているQNXと提携し、専用OSの開発に力を入れていくとしている。
半導体と通信からの業界参入も力が入る
同じくクルマのコンピュータ化が進むと重要になるのが搭載される半導体チップや通信規格である。半導体ではIntelがコネクティビティをテーマに次世代車輛が必要とする大量のデータ処理と計算速度に対応すべく企画開発を進めていることをアピールしている。クァルコムはsnapdragonと最新のAndroid7.0を搭載した車載インフォテインメントをパナソニックと開発すると発表しており、5G通信規格とあわせて自動車業界への参入を強めていくと見られている。さらに今後は、スマートシティーやスマートホームなどのIoTとクルマの密接な連携が進むと見られており、それらに向けてパナソニックはデンバー市と、BOSCHは自動駐車システムの実証実験をサンフランシスコで行うなど、自治体との提携がすでに始まっている。
オートドライブカーはレベル3の試乗が充実
会場全体で人工知能(AI)やロボティクス技術関連の出展が激増する中、その両方を取り入れたオートドライブカーをほぼ全てのメーカーが扱っていたことも今年大きな話題になっていた。多くがレベル3の高度運転支援システムの実用化を目標に設定しており、自動車関連の試乗が集まるノースプラザのエリアでは、NVIDIAをはじめ、DELPHI、Valeo、ルネサスらといった例年よりはるかに多い試乗会が実施されていた。また、そこでは各メーカーが何に重きを置いて開発を進めているのか、その違いを紹介する場にもなっていた。数年前から一般道での試乗を行っているDELPHIは、今年も一般道での自動運転とエリア内ではGPSと車輛間通信を使って周囲の情報を収集して安全性を確保するV2E(Vehicle-to-Everything)の試乗を行っていた。また、V2Eから進化したV2X (Vehicle-to-Anything) も発表しており、AT&TのLTEネットワークとフォードの車輛を使って開発を行うとしている。
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