コスモ石油、JR西日本の気動車に100%バイオ燃料を供給 国内初の営業列車運行
2025/11/13(木)
コスモ石油マーケティングは、JR西日本が運行する気動車(ディーゼルカー)の営業列車向けに、100%次世代バイオディーゼル燃料を供給したと発表した。100%濃度の次世代バイオディーゼル燃料を鉄道の営業列車に使用するのは国内で初めて。これにより、対象列車の運行におけるCO2排出量は実質ゼロとなる。
今回の取り組みは、2050年のカーボンネットゼロを目指すコスモエネルギーグループと、鉄道輸送の脱炭素化を進めるJR西日本の連携によって実現した。
使用される次世代バイオディーゼル燃料は、廃食用油など食料と競合しないバイオマスを原料としている。従来の軽油と同じ炭化水素構造を持つため、既存のディーゼルエンジンにそのまま100%代替燃料として使用できるのが大きな特徴だ。この燃料は、燃焼時にCO2を排出するものの、原料となる植物が成長過程でCO2を吸収しているため、ライフサイクル全体でCO2排出量は実質ゼロとみなされる。
これまで、バイオ燃料を鉄道車両に使用する実証実験などは行われてきたが、乗客を乗せて定期的に運行する「営業列車」に100%濃度の次世代バイオ燃料が使用されるのは国内で初めてとなる。
燃料の安定供給にあたっては、コスモ石油の海外子会社が海外サプライヤーとの協力体制を構築。調達から品質管理、安定供給までの一貫したサプライチェーンを確立した。
コスモエネルギーグループとJR西日本は、この国内初の取り組みを通じて、鉄道輸送における脱炭素化の可能性を具体的に示し、社会全体のカーボンニュートラル実現に貢献していくとしている。







