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エネルギー損失20%削減 デンソーら、車載パワー半導体の量産出荷開始

2023/5/16(火)

出荷式の様子
左から デンソー代表取締役社長 有馬浩二氏
UMC Co-President Jason Wang氏

株式会社デンソー(以下、デンソー)とユナイテッド・セミコンダクター・ジャパン株式会社(以下、USJC)は、300mmウェーハでの絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor 以下、IGBT)の出荷を5月10日より開始した。USJCは、半導体ファウンドリーのユナイテッド・マイクロエレクトロニクス・コーポレーション(以下、UMC)の日本拠点だ。

世界的なカーボンニュートラルに向けた取り組みにおいて、電動車の開発・普及が加速する中、電動車は航続距離や電費のさらなる向上が重要な課題となっている。このような背景から、電動車のモーターを駆動・制御するインバーターに採用されているパワー半導体には、発熱による電力損失の低減と小型化が求められている。

デンソーは、従来のIGBT(IGBTとダイオードを別チップで接続したもの)と比べ、エネルギー損失を最大20%削減した小型で低損失な次世代IGBT(RC-IGBT=ダイオードと一体のIGBT)を開発した。今回デンソーとUSJCが共同で新設した製造ラインで生産し、2025年には月産1万枚を目指すという。

▼関係者のコメント
■デンソー 代表取締役社長 有馬浩二氏のコメント
本日、デンソー、UMC、USJCの3社のパートナーシップを象徴する記念すべき出荷式を迎えることができ、大変うれしく思います。半導体業界と自動車業界という異なるカルチャーを持った者同士が、お互いに尊重し合いながら地道に取り組んできたことは競争力の源泉となっています。今後もデンソーは、信頼し合える仲間とともに、競争力ある半導体の生産を通じて電動化をさらに加速させ、地球環境の保全と笑顔あふれる社会の実現に挑戦していきます。

■USJC 代表取締役社長 河野通有氏のコメント
USJCが日本の半導体ファウンドリー企業としては初めて300mmウェーハでのIGBT製造を実現し、200mmウェーハでの製造に比べ、より高い生産効率をお客様に提供できることを誇りに思います。デンソーのサポートと当社の専門チームの貢献により、試作と信頼性テストを滞りなく完了し、お客様と合意した量産スケジュールを守ることができました。

■UMC Co-President Jason Wang氏のコメント
車載ソリューションをグローバルに提供する、デンソーの戦略的パートナーになれたことを誇りに思います。今回の協業は、製造能力と協力的なアプローチによって、我々ファウンドリー企業がお客様を成功に導くことをまさに証明しました。自動車の電動化・自動化は、特に28nm以上のプロセスノードにおいて、スペシャルティ・ファウンドリーのプロセスで製造される半導体の車載搭載量を増加させていくでしょう。UMCは、スペシャルティ・テクノロジーのリーダーとして、自動車のバリューチェーンにおいてより大きな役割を果たす立場にあり、急速に進化する産業において我々のパートナーが市場シェアを獲得できることを目指します。

テープカットの様子
左から USJC Chairman S F Tzou氏

UMC Co-President Jason Wang氏

三重県知事 一見勝之氏

経済産業省商務情報政策局長 野原諭氏

桑名市長 伊藤徳宇氏

デンソー 代表取締役社長 有馬浩二氏

デンソー 経営役員 加藤良文氏



(出典:デンソー Webサイトより)

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