エネルギーマネジメントシステム デンソー、西尾製作所で実証開始
2023/5/19(金)
株式会社デンソー(以下、デンソー)は、工場から排出されるCO2ゼロを目指し、西尾製作所において、工場におけるエネルギーマネジメントシステムの実証実験を5月15日より開始した。
今回実証する工場のエネルギーマネジメントシステムは、デンソーが開発したSOFC※1を中心に、電気を工場に送電する蓄電池およびV2G※2ならびに太陽光発電パネルで構成されたものだ。新たに西尾製作所の「ポケットパーク」内に設置している。※1 Solid Oxide Fuel Cell / 固体酸化物形燃料電池
※2 Vehicle-to-Grid / 電気自動車を「蓄電池」として活用し、電力会社の電力系統に接続し相互に利用する技術(プレスリリースより)
SOFCは、水素を燃料として発電する装置だ。太陽光発電と比べて天候に左右されることなく、安定的に発電することができる。デンソーが開発したSOFCには、自動車用部品で培った熱マネジメント技術やエジェクターの燃料リサイクル技術※3が導入されている。世界最高レベルの発電効率65%を目指して開発しているという。※2 Vehicle-to-Grid / 電気自動車を「蓄電池」として活用し、電力会社の電力系統に接続し相互に利用する技術(プレスリリースより)
※3 利用できなかった燃料を、高温部内でも作動可能なエジェクターを用いて効率的にリサイクルする技術(プレスリリースより)
また、西尾製作所では、工場の電力需要に応じて、太陽光発電による電力を貯めた蓄電池の充放電や、SOFCの発電量の制御を行い、より効率的なエネルギーマネジメントを目指した実証を行う。SOFCの発電燃料となる水素は、実証開始時では都市ガスから精製する。しかし、今後は社会動向に合わせて柔軟に変化させることができるよう、都市ガスとカーボンニュートラル燃料との混合利用やカーボンニュートラル燃料のみでの実証を目指す。くわえて、この実証で得た成果は、株式会社デンソー福島において導入する予定とのことだ。なお、デンソーは、社会全体のカーボンニュートラル実現に向け、工場などの産業設備や商業・業務用施設など、他の製造業や社会へと活用の場を広げることができるソリューションを提供していくという。そのために、今後もさまざまな実証を通じて、地球にやさしい技術の開発に挑戦し、カーボンニュートラルの実現に貢献すると述べている。
(出典:デンソー Webサイトより)