デンソーテン、タクシー事業者向けクラウド型業務システム構築 コネクテッド事業をさらに強化へ
2019/2/21(木)
株式会社デンソーテン(兵庫県神戸市)と、その販売子会社である株式会社デンソーテン販売(兵庫県神戸市)は、タクシー事業者向けに車載タブレットも接続可能なクラウド型業務システムの事業者への納入を2019年1月より開始した。
■タクシー事業者が抱える課題の解決に寄与
タクシー業界を取り巻く環境は、少子高齢化の進展や訪日外国人の増加による需要構造の変化、スマートフォンに対応した配車アプリケーションの導入、クレジットカード・交通系ICカード・QRコードなどさまざまなキャッシュレス決済手段への対応、ライドシェアの活性化などにより大きく変化している。それに合わせて事業者にもより高度な機能・サービスが求められている。そのような状況で、事業者専用の配車(コール)センターやサーバー、車載システムを進化させる従来型の方法ではスピードやコスト、使いやすさの面で対応が困難になってきたという。デンソーテングループでは今回構築した仕組みを提案して事業者が抱えるこのような課題の解決に寄与していきたい考えだ。■アプリケーションの更新・追加で新機能・サービスをスピーディーに導入
今回のシステムでは車載システム側に汎用のタブレットが採用された。事業者はタブレットにインストールされているアプリケーションの更新や追加だけで新機能・サービスを導入することが可能。タブレットを搭載することで別体となっていたナビ、無線機、ECUなどを集約することが可能となり車室内をスッキリさせられる、という効果も見込まれる。選定に際しては堅牢さとともにプラットフォーム(クラウドセンター)との相性を考慮。その上で、デンソーテングループは事業者ごとに最適なタブレットを組み込んだ有用なパッケージを用意・提案していく方針だ。
■CASEの領域を強化~多彩なラインアップを提案~
デンソーテングループでは自動車産業で急速に進展する「CASE(Connected・Autonomous・Shared・Electric)」の動向を着実に捉え、グループ各社の情報・通信技術を駆使した「Vehicle-ICT」に取り組んでいく。その一環として、あらゆるクルマがネットワークにつながる時代を見据えたコネクティッド事業への取組強化を行っている。1950年代にタクシー用無線機を開発して以来、60年以上にわたりノウハウを蓄積し進化を遂げてきたタクシービジネスにおいても、コネクティッド事業への取り組みを強化していく方針だ。高いシェアを誇る同ビジネスでは、日々データが蓄積されている「クラウド型タクシー配車システム」をプラットフォームに、スマートフォンのアプリケーションや、タブレットなど様々な車載機器も絡めた多彩なラインアップを整え、新規ならびに更新ビジネスの獲得を目指していく。■関連記事