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地道な試験の積み重ねが自動運転の「安心・安全」をつくる デンソー

2017/11/24(金)

デンソー、額田テストセンターを報道向けに公開

自動運転を行うために、周囲の環境を認識するためにカメラー、レーダー、LIDARなどのセンサーが必要になることは、もはや言うまでもありません。しかし、本当にセンサーが正しく機能しているのか、夜間や悪天候などでも正しく認識を行えるのか不安が残ります。

そのような走行環境認識センサーの品質確保を行うため、デンソーは愛知県岡崎市にテストセンターを設け、夜間や雨天時などのさまざまな環境下において製品の定量評価を行っています。

高度運転支援、その先の自動運転をより安心、安全にするために ──今回は「額田テストセンター」の内部を紹介します。

[LIGARE vol.31 (2017.1.31発行) より記事を再構成]


テストセンターで定量評価を行う意義

「自動運転の技術では、人工知能技術や高性能な半導体の技術に注目が集まります。当然その技術は必要ですが、一方で地道にテストコースで試験を積み重ね、データを集めて改善していくことが必要不可欠です」

 

常務執行役員 加藤良文 氏



──デンソー常務役員の加藤良文氏はテストコースの必要性についてこのように語ります。高度運転支援、予防安全、自動運転を実現するためには、品質の作り込みが必要です。デンソーは2016年1月に「ADAS推進部が」新設され、さらに8月に行われた高度運転支援・自動運転の技術開発説明会では「いつもの安心、もしもの安全」というデンソーの取り組みのコンセプトが発表されました。人、社会・インフラをつなげる総合的な開発を目指すというものです。

 

8月に発表されたデンソーの技術開発のコンセプト。
基礎研究・調査・分析をベースに、「人」「社会」「車」をつなげる総合的な開発を実践している。



これを実現するために、基礎研究をはじめ、調査分析、走行環境の認識、車両の運動制御、HMIなどといった技術が肝要です。この中でも、主に走行環境の認識を担うのが、額田テストセンターです。品質を作り込むために、まず徹底して市場走行を行いデータを集めます。その中で危険な場面や課題、解決しなければいけないシーンが見つかります。

製品の開発、設計のためには、問題点を開発現場で再現して、定量的に評価する必要があります。1つの評価方法としてはコンピューターシミュレーションを用いますが、仮想環境という欠点があります。そのため、テストコースにおいて、実際の環境で再現し評価することが必要になります。

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