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自動運転社会実現への課題―ダイナミックマップ2.0

2017/12/19(火)

左:同志社大学 佐藤健哉教授  右:名古屋大学 高田広章教授

自動運転に欠かせないダイナミックマップの、一歩先を行く研究が進んでいる。従来のダイナミックマップとの違いは、収集した動的データを活用し、合流や車線変更をスムーズに行うなど、従来のダイナミックマップでは扱われてこなかったリアルタイム性を重視している点だ。この研究によって自動運転技術はどのように変っていくのだろうか。
研究を主導する名古屋大学の高田広章教授、同志社大学の佐藤健哉教授に話を伺った。
[LIGARE vol.36 (2017.11.30発行) より記事を再構成]
 

今回発表されたダイナミックマップ2.0とはどういったものなのでしょうか?

佐藤氏 例えば車が車線合流をする際の制御や車線変更をする際の制御に必要となるのはリアルタイム性です。ダイナミックマップ2.0では動的データを集めて統計利用をするだけではなく、将来的にはクルマの制御に活用したいと考えています。その際に重要となるのがデータとのやり取りの際に発生する遅延です。

高田氏 ダイナミックマップ2.0では、その問題を解決するためにデータ処理を行なうレイヤーを、クラウド(データセンタ)、エッジ(基地局、路側機)、組み込み(車両、デバイス)の三階層に定義しています。合流・車線変更を行う際には、車載システム間のみでの分散処理は難しい点や、クラウドにデータをいちいち問い合わせていてはリアルタイム性に欠けるという問題がありました。そこで計算をクラウドではなく中間のエッジにサーバーを置いて行うことで、リアルタイム性を維持しつつ合流・車線変更などのサービスを行うことができるようになります。自動走行のアプリは車の上で動かし、合流調停はエッジ、街全体の交通量の最適化はクラウド上で行うなど、アプリの扱いたい範囲と応答性のトレードオフで、適材適所なところでアプリを動かすというイメージです。

ダイナミックマップ2.0の全体像  引用:ダイナミックマップ2.0・コンソーシアムの資料より


クラウドから末端の車両までカバーするダイナミックマップ2.0
引用:ダイナミックマップ2.0・コンソーシアムの資料より



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